LEXUS DESIGN AWARD トークイベント…藤本氏「建築家は巻き込まれるのを楽しむ職業」

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「LEXUS DESIGN AWARD」藤本壮介氏トークイベント『世界に通じるデザイン力の鍛え方』
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LEXUSが毎年行っている国際コンペティション「LEXUS DESIGN AWARD」。次世代を担うクリエイターを発掘、育成、支援を目的に、2013年に設立されたプロジェクトだ。9月1日、LEXUSは東京・六本木のアクシスギャラリーにて、「LEXUS DESIGN AWARD 2018」のメンターに選出された建築家 藤本壮介氏のトークイベント『世界に通じるデザイン力の鍛え方』を開催した。

トークイベントの後半は、「LEXUS DESIGN AWARD 2017」のグランプリ受賞者である吉添裕人氏を交え、藤本氏とのパネルディスカッションも行われた。

イベントが始まると、まずは藤本氏が登場。簡単な自己紹介に続き、これまで藤本氏が手がけてきた作品をスクリーンに写しながら解説を行った。藤本氏は「建築家という仕事は必ずクライアントがいて、自分ではどうしようもないことが起こる職業」と言う。さらに、そのさまざまなことに「巻き込まれることを楽しみながら働くのが大事」と持論を語った。

来場者に何枚かのCG画像が紹介された。これは中東のとある国に依頼された、巨大なショッピングモールの完成予定図。無数のアーチ状の構造物が重なり合っているデザインが特徴敵な建物だ。藤本氏は「中東の彼らが昔から持っているアーチのデザインをリスペクトしつつ、現地の気候や日差しを考えて設計した」とコンセプトを解説。このデザインはクライアントからも好評だったようだが、あるとき突然計画が中止されたそうだ。藤本氏は中止になった理由について、「王様の気分が変わったから。これでは仕方がないね」と、巻き込まれたことを楽しむかのように笑顔で感想を述べていた。

続いては実際に完成した建築物の写真が映し出された。公園のような広い広場の真ん中に、透明なガラスに囲まれたトイレがぽつんとひとつだけ建っている。これは千葉の小湊鉄道の飯給駅(いたぶ)にあり、いまでも存在する公衆トイレ。周囲に高い壁があるため周囲の公道からは見えないが、中に入ると開放感がある。「昔からずっとトイレを作ってみたかった」と語る藤本氏は、この仕事を依頼されたときに快諾したそうだ。そしていまも、藤本氏は小湊鉄道と組んで新たなトイレを3つほど計画中。このプロジェクトもまた、「巻き込まれた案件」と解説した。

さらに現在、南フランスで建設中の集合住宅なども解説。この地域の人々はバルコニーで過ごす時間を大切にするため、各戸に巨大なバルコニーを設けるようにデザインされた。藤本氏は海外の建物を依頼されたときは、その現地にあるものや人の生活、歴史をリスペクトしながら設計することの重要性を解説。来夏の完成に向けて、現在建設中のプロジェクトとのこと。

トークイベントの後半は、「LEXUS DESIGN AWARD 2016」でパネル受賞、そして2017でグランプリ受賞を果たした吉添裕人氏がステージに加わり、藤本氏とのパネルディスカッションが行われた。吉添氏はデザイナーの大先輩である藤本氏を前に、緊張した表情で自身の作品を紹介。2017年でグランプリを受賞した作品は、「く」の字型をしたパーツを積み重ねて作る構造体。中空のパーツは、反対側の光が微妙に差し込むように作られており、ときには壁になるし、ときにはスクリーンにもなるおもしろい作品だ。
これを見た藤本氏は、「テーマに囚われすぎていないのがいいと思う。テーマとクリエイションの理想的な関係を保っている」と賞賛した。

トークイベントの最後に藤本氏は、「メンターとして関わらせていただくLEXUS DESIGN AWARD 2018の募集はすでに始まっています。どのような作品が来るのか楽しみ」と期待で胸を膨らませていた。

《佐藤隆博》

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