バイクの部活「二輪車競技部」、洗剤まいて悪路踏破特訓...熊本県立矢部高校

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洗剤まいて悪路踏破特訓、全国大会優勝目指す...熊本県立矢部高校二輪車競技部
  • 洗剤まいて悪路踏破特訓、全国大会優勝目指す...熊本県立矢部高校二輪車競技部
  • 熊本県立矢部高校「二輪車競技部」のメンバー。前列左から、藤岡真利阿、栗屋幸輝、原生祐弥、奈須雅幸。後列左から、赤木玲雄哉、福田隆人、福田志保、田中隆嶺。(敬称略)
三重県の鈴鹿サーキットで開催される「二輪車安全運転全国大会」出場に向けて、熊本県立矢部高校(山都町)の「二輪車競技部」でユニークな特訓が行われている。

二輪車競技部は、奈須雅幸部長を中心に部員8人。創部22年の歴史がある。通学で認められているのが排気量50ccのスクーターであることから、スクーターを使って腕を磨く。6月11日に開催された熊本県大会では高校生等クラスで原生祐弥選手が優勝した。女性クラスで優勝した山田朋代選手も、矢部高校卒業生で同部に在籍していた。熊本県内では優勝して当然というほどの常勝校だ。

同部がその先に見据えるのは全国大会、高校生等クラスの優勝だ。ただ、その山は険しい。昨年県優勝で出場した同部の高本湧斗(高ははしご高)選手は、惜しくも7位だった。高校生等クラスは高校生だけでなく、高等専門学校や20歳未満の働く青年も参加資格があるので、全国大会という緊張の場での乗車経験で差が生じる。

全国大会のプレッシャーをはねのけるために考え出されたのが、練習コースに透明シートを敷いて洗剤をまいた“悪路特訓”だ。同部では10年以上も続いている。安全運転技能と交通マナーを競う全国大会では、競技種目に常に水をまいた状態のマットの上で障害物を避けながら通過する悪路応用走行がある。

二輪車競技部OBで山都町役場に勤める田中秀穂監督はこう言う。「大型バイクと違って、スクーターは極端な走り方をしなければ洗剤をまいてもあまり滑りません。練習ではただ通過するだけではなく、ノーブレーキ、リアブレーキだけを使う、フロントブレーキだけを使うと運転条件を変えて最悪の状況下でも基本乗車姿勢を崩さないことを学びます。全国大会での優勝は公道で安全に走り、運転技術向上を目指すための一つの目標と思っています」。

この練習は、毎日の通学にも役立つと田中氏はいう。「山都町周辺は中山間地で雪が降ります。洗剤を使用した練習経験は公道でも役立ちます。洗剤の滑りやすい洗剤路面を走った恐怖心は、雨天や積雪で運転を抑制する心を生み、学生を事故から守る。安全運転に繋がっていると思います」。

熊本県立矢部高校の出場する全国大会は8月5日と6日に開催される。
《中島みなみ》

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