【JNCAP2016】ファイブスターは6車種…インプレッサ/XV が3年ぶり最高得点更新

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JNCAP2016 結果発表会
  • JNCAP2016 結果発表会
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  • スバル XV
  • スバル 井上正彦 プロジェクトゼネラルマネージャー
  • スバル インプレッサ
  • スバル 第一技術本部車両研究実験第二部 古川寿也 部長
  • トヨタ自動車 プリウスPHV
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2016年度の自動車アセスメント(JNCAP)の評価結果が5月29日に公表され、SUBARU(スバル)の『インプレッサ/XV』やトヨタ自動車『プリウス/同PHV』など6車種が、衝突安全性能評価で最高評価のファイブスターを獲得した。

JNCAPは国土交通省と独立行政法人の自動車事故対策機構が自動車の安全性能を評価、公表しているもので、このうち衝突時の乗員や歩行者の安全性を評価する衝突安全性能評価では今回、軽自動車2車種を含む9車種で実施した。

その結果、ファイブスターを獲得したのはインプレッサ/XVやプリウス/同PHVのほか、トヨタおよびダイハツ工業の『パッソ/ブーン』(いずれもサイドカーテンエアバッグ装着車)、トヨタ『ヴェルファイア/アルファード』、ホンダ『フリード』、日産自動車およびスズキの『セレナ/ランディ』だった。

このうちインプレッサ/XVは208点満点で199.7点を獲得、それまでの最高得点を10点上回ったことから衝突安全性能評価大賞を受賞した。さらに日本初となる歩行者保護エアバッグの性能評価試験を受けたことにより特別賞にも選ばれた。

この日都内で開かれた16年度JNCAP結果発表会では、ファイブスターを獲得した車種の開発責任者らに表彰状と記念のオーナメントが贈られた。登壇した開発責任者らからはファイブスターに輝いた車種の開発にかけた思いなどが語られた。

まず大賞を受賞したインプレッサ/XVでXVの開発責任者を務める井上正彦プロジェクトゼネラルマネージャーは「13年ぶりにプラットフォームを刷新して開発してきた。それがあってこの賞につながったと思う。実は200点を超えることを狙っていたが、いかなかった。とはいえ過去最高得点ということでこの賞を頂いた。開発陣みんなでこれを分かち合って次につなげていきたいと思う」とコメントした。

またインプレッサ/XVは歩行者保護エアバッグの搭載により特別賞も受賞した。スバルの第一技術本部車両研究実験第二部の古川寿也部長は「車両の歩行者保護対策は、窓枠回り以外はかなり開発が進み、やりつくしたというところまできているが、今回プラットフォームを一新する機会を利用し歩行者保護エアバッグを付けることができた。これで窓枠回りに対策が入り非常にうれしく思っている」と振り返った。

次点は183.6点を獲得したプリウス/同PHVだった。プリウスPHVの開発を担当した金子將一主査は「プリウス、プリウスPHVは環境車として広く日本で走っているが、やはり環境のみならず安全性能についても開発陣全員が高い目標を掲げて開発してきた。国土交通省が掲げる交通死亡者数2500名以下を目指して、自動車を製造する者のひとりとして今後も技術開発にまい進したい」と抱負を語った。

3番目の評価はパッソ/ブーンで179.2点だった。ダイハツ工業の松本隆之チーフエンジニアは「我々、小さなクルマを造っているが、今回ファイブスター賞を頂いたことを大変うれしく思っている。今後もよりたくさんのお客様に安心してお乗り頂けるクルマを提供させて頂きたいと考えて、これからも進めていきたい」と話した。

ヴェルファイア/アルファードの得点は178.4点だった。チーフエンジニアを務めるトヨタの吉岡憲一主査は「ヴェルファイア/アルファードは15年に発売してからたくさんの法人、著名人の方々、さらには海外のお客さまにもお使い頂いている。そういう中でこのクルマに対する安全性能であったり、品質への期待というのはどんどん上がってきていると思っている。当然大切なお客様の命を乗せるクルマなので、製造メーカーとしてしっかり性能を世界基準に引き上げて、さらなるいいクルマづくりに邁進したい」と語った。

177.2点を獲得したフリードの開発責任者を務める本田技術研究所四輪R&Dセンターの田辺正主任研究員は「新型フリードではより多くのお客様に移動の歓びと豊かな暮らしの歓びを提供するために開発してきた。この喜びを下支えする安心、安全は商品造りの重要な礎ととらえ愚直に開発してきた。その成果としてこのような賞を受賞し大変喜ばしく思っている」と述べた。

セレナは175.8点を獲得。日産の日本戦略企画本部日本商品企画部でリージョナルプロダクトマネージャーを務める遠藤智美氏は「セレナは家族の幸せと家族の生活を豊かにするということで開発してきた。予防安全にも力を入れて、ファイブスターの賞も頂き、良い所までたどり着いたのではないかと今思っている。ただクルマの開発にはゴールはない。賞を頂いて非常にうれしい半面、自動車の開発に携わるものとしての責務もひしひしと感じている」とコメントした。

《小松哲也》

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