【GARMIN fenix 5S インプレ後編】fenix 5との差は?fenixシリーズは良い意味でオーバースペック?

エンターテインメント 話題
PR
fenixシリーズにしては小ぶりでコンパクト化したが、高性能は継承
  • fenixシリーズにしては小ぶりでコンパクト化したが、高性能は継承
  • 左上がfenix 5S・グレー(ブラックバンド)、右下が同ホワイト(ホワイトバンド)
  • Garmin Connectが継続的なトレーニング効果を解析してメッセージを送ってくれることも
  • 強烈な日差しのもとでも画面はクリアに表示されてとても見やすい
  • さまざまなアクティビティの中から「バイク」を選択すると、サイクリング時に必要となる機能だけが表示される
  • 距離6.41kmを走って所要時間は28分38秒9。平均時速13.4km、232キロカロリーを消費
  • 気仙沼大島の最高峰、亀山に登頂。高度計や気圧計はサイクリングや登山、ハイキングに便利
  • 最大心拍数は151。獲得標高は233m。有酸素運動のトレーニング効果は2.9とまずまず

マルチスポーツ対応プレミアムGPSウォッチ、fenix(フェニックス)シリーズのコンパクトモデル「fenix 5S(ファイブエス)」。ハーフマラソンやサイクリングに投入して得たルーティングやさまざまなデータを考察してみた。

fenix 5Sと5、その差は?

今回は宮城県の三陸リアス式海岸から船で渡ったところにある気仙沼大島にロードバイクを持ち込んで実走インプレしたのだが、じつは同時発売の上位モデル「fenix 5 Sapphire(ファイブ・サファイア)」を右手首に、この5Sを左手首に着用してコースを走行した。さっそく両デバイスが取得したデータを見比べてみることにしよう。

結果から言うと両デバイスの違いは誤差のレベルで、ほぼそん色ない結果がもたらされている。あえて指摘すれば5Sのほうが獲得標高と消費カロリーが多めに表示され、気温のデータ取得がわずかに散漫だった。ただしこれらの違いは無視できるレベルで、つまり結果的に5SのGPS精度、心拍管理能力は上級モデルの5 Sapphireとほぼ同じ。

ステンレスベゼルで武装した5 Sapphireは内蔵されているEXOリングアンテナが天空からの信号を確実にキャッチして高精度の補足が可能とされていたが、コンパクト化のためにステンレスベゼルをそぎ落とした5Sも負けていなかったのだから驚きだ。

耐傷性サファイアガラス仕様でない5Sだが、よほどのことでないかぎりガラス面はキズつかないし、強烈な紫外線のもとでも液晶画面を視認できる。大型の5 Sapphireは稼働時間がGPS起動時21時間・ウルトラトラックモード44時間と長いことが特徴で、5Sはコンパクト化の代償として同12時間・28時間と短くなった。それでもUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)のような長時間レースに参加しない限り、1日のアクティビティとしては十分な稼働時間だ。

総論として5 Sapphireにできて5Sにできないものは、一般レベルではほとんどないと思う。さらに言うならコンパクトモデルの優位性として、本機の軽さと細身のシリコンベルトがもたらすしなやかさがあって、ライフログバンドのような違和感のない装着感が魅力。

マルチスポーツアクティビティでその真価を発揮

自転車が競技の1パートとなっているトライアスロンやデュアスロンを行う場合もfenix 5Sはとても便利だ。アクティビティに「マルチスポーツを」選択すれば1つのデバイスで異なる競技の記録や必要項目が算出される。マルチスポーツアクティビティでは、全体のタイムと距離の確認やトランジションへの切り替えを簡単なキー操作で行うことができるのだ。

デバイスにはマルチスポーツアクティビティとしてトライアスロンがプリインストールされている。最もスタンダードなスイム>バイク>ランという順番の設定だ。悪天候で海が荒れてスイムが中止になり、ラン>バイク>ランになってしまうことはよくあるので、マルチスポーツアクティビティの種目の組み合わせをカスタマイズして新規アクティビティを追加すれば問題を解決する。

セグメント機能を試してみた

ガーミン社製のGPS機能つきデバイスならなんでもできる「セグメント」も体験してみた。「セグメント」とはアプリやサイトにアップロードされた仮想のレースコースのことだ。セグメントとして設定したコースを自分自身やGarmin Connect上のユーザー、グループのメンバーなどと走行して、そのタイムをアプリ上で競う。セグメントデータをあらかじめ転送しておけばリアルタイムに仮想のレースを行うこともできる。fenix5と5Sはランニングセグメントとサイクリングセグメントに対応している。

この地球上にはいたるところにセグメントが設定されている。ランかサイクリングモードでGPS機能をオンして走っていると、だれかが設定したセグメントに突入して知らないうちにタイム計測されてしまうことも多い。そこを通過したランナーやサイクリストが自動的に順位付けされていくのだ。筆者もオランダの運河沿いの直線路でこのセグメントに遭遇していたようで、帰国後にかなり下位に順位づけられていることに気づいた。「教えてくれれば、その場所はもっと飛ばしたのに」とちょっと悔しかった。

すべての機能を使う必要はない、自分のペースでステップアップ

このようにGarmin Connectでコース作成してデバイスに送り込んで実行したり、実走データを転送してGarmin Connectで管理するという双方向の利用方法があるので世界が無限に広がっていく。プログラムされた無数の機能を利用するのはとうてい無理だが、自分にとって価値のある活用術を見つけてのめり込んでいくのがオススメ。

一般レベルから言うとfenixシリーズは常にオーバースペックである。しかしこれまで使ったことのない利便性を見つけて利用し始めることで、前日までの自分より確実にステップアップしていけるに違いない。

《山口和幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集