【ミニカー検証】いつの時代も「GT-R」は憧れ…オートアート / 日産 ハコスカGT-R

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オートアート「日産ハコスカGT-R」
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実車を解説しながら、ミニカーの再現度を検証する新シリーズ。第2回目は精密モデルカーブランドとして定評のある「オートアート」の「日産Skyline Hardtop GT-R(KPGC10)」(以下、通称であるハコスカGT-Rと呼称)を紹介する。ミニカーを紹介する前に、まずは実車がどのようなモデルであったか解説しよう。

「ハコスカGT-R」のベースとなった「ハコスカ」は、1968年に日産自動車が世に送り出した3代目の『スカイライン』である。今風に言うと“ボクシー”なスタイリングであることから、「箱のようなスカイライン=ハコスカ」の愛称で呼ばれる。もっとも、ハコスカという呼称は、4代目が流麗なデザインでデビューしたことにより、後に使われるようになった呼称なのだが。

初代スカイラインは富士精密工業(後にプリンス自動車工業へと社名変更)からデビューしたが、1966年にプリンス自動車工業は日産自動車と合併、その日産からとしては初のスカイラインであるため、「ハコスカ」は大いに気合を入れたモデルとなった。

発売当初こそ、プリンス時代から引き継いだ直列4気筒エンジンを積んでいたが、直ぐに日産製の直列6気筒エンジンが搭載された。長いエンジンを積み込むために、ノーズを195mmも延長しているが、スタイリングのまとまりが4気筒モデルよりも良いと評価されているのは、あくまで6気筒を搭載する前提で設計されたからである。

また、デビュー直後はリジッドであったリヤサスペンションは、上記の6気筒モデル追加に伴い、当時では世界的にも高級自動車メーカーでしか採用がなかった4輪独立懸架に変更された。

そして畳み掛けるように投入された最強グレードこそ、「GT-R」である。エンジンは当時の日産レースマシンである「R380」に搭載された直列6気筒2リッターエンジンをベースに開発したハイパワーユニットである「S20型」を搭載、高級車とは言え日本の量産車としては前例がない4バルブDOHCヘッドにより160馬力を7000回転という高回転で引き出していた。優れたシャーシにハイパワーエンジンの組み合わせは、現在の事実上後継の最新モデルである「R35型GT-R」まで連綿と続く、黄金パターンである。

外観には専用フロントグリル(誇らしげなGT-Rエンブレム付き)とフェンダーミラー、リヤオーバーフェンダーを装備、全身でレーシーを表現していた。


1970年にはマイナーチェンジが行われ、70mmホイールベースを短くした2ドアの「ハードトップ」モデルが追加された。「GT-R」グレードも全車「ハードトップ」に移行したが、それが今回紹介する「KPGC10型(ハコスカGT-R)」である。ノーズに重たい6気筒エンジンを搭載している宿命か、4ドア時代はコーナーが苦手であったが、ホイールベースが短くなったことで問題解消、運動性能は飛躍的に向上した。それを裏付けるかのように、レースではもはや敵なし、ついには通算50勝という金字塔を打ち立てるに至ったのである。

ちなみに、デビュー当時の車両価格は154万円、大卒初任給が36000円程度であったことを考えると、まさに現在の「R35型GT-R」と同程度の価格レンジであったことがうかがえる。いつの時代も「GT-R」は超高性能で憧れの高級車なのである。


しかし現在、「ハコスカGT-R」を実際に手に入れるのは、新車当時より難しい。スポーツカーの宿命か、程度の良い個体は年々減少しており、まずお目にかかることはない。もしあったとしても、最近の海外オークションでは新車価格の10倍である1500万円という、とんでもない価格で落札された程だ。

いつか憧れを手にしたい、そんな夢を叶えてくれるのが、ミニカーの魅力の一つである。今回紹介するモデルは、オートアートの「ハコスカGT-R」の1/18ミニカーしかも、ハコスカファン納得のチューニングバージョンのモデルだ。

それでは、変更箇所も含めて、写真でそのディティールに迫ろう。


文句なしにカッコイイ。当時のチューニングカー特有の、アウトローっぽい空気感まで伝わってくるようである。


上から見れば、まさしく「ハコスカ」である。


デザイン上の最大の特徴である、サーフラインも特徴を完全再現。ノーマルから低められた車高が高い運動性能を予感させる。


現代の車にはない男らしいフロントマスク。ノーマルと違いフロントまでワイドフェンダーに変更されており、さらにチンスポイラー装着でアグレッシブな印象を受ける。


GT-Rエンブレムの塗り分けまで再現。


「Skyline」のロゴと栄光の赤バッチを、デカールではなく別パーツにて再現。


旧車と絶大なマッチングを誇る、「ワタナベ」のホイールを装着。タイヤも太めのスポーツラジアルに変更されている。


最終後期型にのみ付けられた、「5Speed」エンブレムが再現されている。マニア心をくすぐるポイントだ。


マフラーは太めのデュアルタイプに換装。野太いアイドリングが聞こえてくる様である。


当時の定番仕様を完全再現。ダットサンバケットシートにコンペタイプハンドル、4点式シートベルトも装備。ルームミラーもワイド化されている。


赤いプラグコードがひときわ目を引く。オイルキャッチタンクも追加されている。


キャブレターのインダクションボックスはファンネルに置き換えられている。ファンネル長が短すぎないところに、かなりの拘りを感じずにはいられない。


スペアタイヤにジャッキ、ガソリンタンクまで再現。


スタビライザーが追加されている。デフには放熱用のフィンが追加された。飾ると見えない箇所にも拘りが溢れている。

ノーマルも非常に再現度が高い同社の「ハコスカGT-R」だが、チューンドバージョンとなると、更にリアリティが増す。これはもはや、日本の改造車カルチャー黎明期を後世に伝える文化財と言っても過言ではない出来栄えである。

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《山里真元》

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