【カーナビ発祥】ホンダのジャイロケータがIEEEマイルストーン受賞…“生みの親”田上氏が語る開発秘話

「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」の開発に携わった田上勝俊氏へのインタビュー

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「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」の“生みの親”でもある本田技研工業株式会社基 礎研究所初代所長田上勝俊氏
  • 「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」の“生みの親”でもある本田技研工業株式会社基 礎研究所初代所長田上勝俊氏
  • 自動車業界では初めて『iEEEマイルストーン』に認定された「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」
  • 『iEEEマイルストーン』の認定された「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」の銘板
  • 受賞記念として「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」展示用セットが作られた
  • 式典ではIEEEのカレン・バートルソン会長(左)から認定の銘板が本田技研の八郷社長に贈呈された
  • 記念写真撮影では、本田技研技術研究所社長の松本宜之氏(右端)とIEEE東京支部チェアの笹瀬 巌氏(左端)も加わった
  • 「ジャイロケータ」で使われたフィルム式の地図。昭文社が開発に携わった
  • マーキング用として何度でも消せるマーカーペンを開発したのは三菱鉛筆

1981年にホンダが商品化した世界初の地図型ナビゲーションシステム「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」が『IEEEマイルストーン』に認定され、3月2日にその記念式典が行われた。会場にはその“生みの親”で当時の電装開発責任者であった田上勝俊氏も出席。誕生にまつわる話を伺った。

エレクトロニクス技術で後れを取ったホンダが“世界初”を生み出した

「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」が開発された1970年代は「ホンダにとってまさに成功と危機感が交錯する時代だった」と田上氏は語る。

当時、アメリカでは排ガス規制を定めたマスキー法案が施工される予定となっており、ここでホンダはCVCCで世界に先駆けて基準値をクリアする快挙を成し遂げた。ホンダはこれにより世界にその存在感を示すこととなったわけだが、その一方で「CVCCはメカニカルな技術で成り立っていたため、カーエレクトロニクスの分野では後れを取ることとなってしまった」のだという。

そんな中、田上氏はトップから四輪の電装開発のトップに任ぜられる。田上氏は当時、汎用部門で発電機の開発を担当していたが、カーエレクトロニクス技術の進歩に対して、トップの強い危機感を感じ取り、その意を受けて開発に取り組むことになった。

ただし、「CVCCで世界に“技術のホンダ”を示した後だけに、電装を担当する部門として何としても勝たなければならない。カーエレクトロニクスで後塵を拝していたのはもの凄いプレッシャーだった」(田上氏)。

《会田肇》

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