低血糖障害による事故で起訴された男、無実を主張

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2014年6月に大阪府大阪市中央区内で低血糖状態にかかわらずクルマを運転し、3人が重軽傷を負った事故を起こしたとして、危険運転致傷の罪に問われた67歳の男に対する初公判が2日、大阪地裁で開かれた。被告は無罪を主張している。

問題の事故は2014年6月30日の午後4時ごろ発生している。大阪市中央区心斎橋筋2丁目付近の国道25号を走行していた乗用車が直進車線を横切るようにして右折し、交差する一方通行路を逆走して乗用車に衝突。同じクルマに2-3回の衝突を繰り返した後に道路横断していた自転車へ突っ込み、この自転車をひきずったまま、その奥の路上に駐車されていたトラックへ衝突してようやく停止した。

この事故で自転車に乗っていた女性が胸部骨折の重傷。車両の運転者2人が軽傷を負った。乗用車を運転していた男には糖尿病による低血糖の症状があり、事故当時は意識障害を起こしていたことが後に判明。同年5月からてんかん発作や低血糖障害による事故の場合は危険運転罪が適用できるようになったことから、大阪地検は男を処分保留で釈放した後も捜査を継続。昨年10月に男を自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)の罪で起訴していた。低血糖障害による事故に危険運転罪を適用した初めてのケースとされる。

2日に大阪地裁で開かれた初公判で、被告の男は事故を起こして3人に負傷させたことは認めたが、「事故直前には低血糖状態に陥るとは思わなかった」と無罪を主張した。

冒頭陳述で検察側は「被告はこの事故の以前にも低血糖による意識障害を複数回起こしていたが、運転免許証の更新時に病歴申告をしていなかった」、「事故当日も昼食代わりのどら焼を食べたのみで運転を継続して事故を起こした」などと指摘した。

これに対して被告弁護側は「事故の直前の測定では血糖値が高い状態であり、意識障害に陥ることは予見できなかった」と主張している。

《石田真一》

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