気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2016年2月22日付
●人型ロボ開発強化、政府1.5億円支援、災害時に活躍(読売・1面)
●円高・株安行方は、原油安が左右、G20の具体策焦点(読売・7面)
●悼む:歴史に残る提携、塙義一さん・前日産自動車社長(毎日・5面)
●内閣支持率7ポイント下落、共同通信世論調査(産経・5面)
ひとくちコメント
日産自動車の社長・会長を歴任し、昨年12月18日に81歳の生涯を全うした塙義一さんの「お別れの会」が明日(2月23日)東京・内幸町の帝国ホテルで行われる。きょうの毎日の「悼む」欄には、仏ルノーとの提携交渉のメンバーの一人でもあった同社の志賀俊之副会長からの哀悼のメッセージを掲載している。
1998年から始まったルノーとの提携交渉ではパリと東京を往復。志賀氏は頻繁に事務レベルの交渉状況を報告したそうだが「日ごろは柔和な塙さんは、こちらが怖くなるほど真剣な顔だった」。「体調が悪く、社長室のソファに横になって点滴を受けながら報告を聞くことさえあった」と振り返る。
また、交渉が決着し、ルノーからカルロス・ゴーン氏が送り込まれると塙さんはサポート役に徹し、翌年にはゴーン氏に社長を譲ったが「傍らで見ていて、リーダーの引き際を教えてもらった気がした」という。
また、塙さんの功績については「日産という一企業を救っただけでなく、文化の違う企業同士が独立性を維持しながらシナジー(相乗効果)を生み出し、成長していく新たな提携の在り方を生み出したことにもあると思う」と寄せている。
現在、志賀氏は政府系ファンド「産業革新機構」の会長職を兼務する。最大案件のシャープの支援先をめぐっては台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との選択で大詰めを迎えている。
先週の日本記者クラブでの講演で志賀氏は「私自身も天命を待つ気分。本当にシャープにとっていいプランはどちらなのか真剣に考えて選択していただければいい」と話したという。
人生にはどうしても逃れられない巡り合わせというものがあるが、シャープも日産のような「新たな提携の在り方」を生み出せるのかが注目される。