国土交通省、軽井沢スキー事故で緊急対策を実施…乗客のシートベルト着用を目視で確認

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シートベルト着用を訴求するリーフレット
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国土交通省は、軽井沢スキーバス事故を受けて緊急対策を実施すると発表した。

長野県北佐久郡軽井沢町の国道18号線碓氷バイパスで1月15日、貸切バスが反対車線を越えて道路右側に転落、乗員・乗客15人が死亡し、乗客26人が負傷する重大な事故が発生した。

国交省では、バス輸送の安全確保の徹底を図り、安全・安心の回復を図るため、バス事業者に対して緊急対策を実施する。

事故の発生要因は長野県警察が現在捜査中だが、関連する報道でこの種の貸切バスでは、乗客がシートベルトを着用していないことが多いと指摘されている。道路交通法では全ての座席でシートベルトを着用させるよう運転者に義務付けられている。

国交省では、警察庁とともに日本バス協会に対して傘下会員に、乗客のシートベルトを徹底するよう周知・徹底を図るよう要請した。具体的には、シートベルトを座席に埋没させないなど、シートベルトを乗客が常時着用することができる状態にしておくことや、リーフレットを座席ポケットへ備付けて乗客へのシートベルト着用を注意喚起することを求めている。同協会が配布しているステッカーや事業者が各自作成しているステッカーも、座席に貼付するなど積極的に活用するよう求める。

車内放送により乗客にシートベルトの着用を促すとともに、発車前に乗客のシートベルト着用状況を目視により確認することも要請する。

また、運転車への安全運転教育に関する緊急対策として、貸切バス事業者に、新たに雇用した運転者で、過去3年以内に他の貸切バス事業者に選任されていた人について、過去の経歴・運転経験を把握した上で、乗務させようとする車種区分(大型/マイクロなど)にかかる運転経験が十分でない場合、その車種区分の事業用自動車で実技訓練を行うことを求める。

新規雇用した運転者以外の運転者も、乗務させようとする車種区分にかかる運転経験が十分でない場合、その車種区分の事業用自動車で実技訓練を行うことを要請する。

国交省では、全国17カ所で貸切バスに対する街頭検査を実施し、監査車両96台中、約半数の45台において何らかの法令違反を確認した。

この結果から、法令違反が多い事項をリスト化したチェックシートを配布し、運行前に事業者自らが最終確認を行い法令遵守を徹底するよう事業者に対し通知する。新たに運用を開始するチェックリストについては今後、効果的な活用方法について更なる検討を行う。

街頭監査で指摘事項が確認された事業者には、確認のための監査を実施する。さらに監査で違反事項が確認された場合、安全確保命令を発動するとともに特別監査を実施する。

《レスポンス編集部》

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