東京商工リサーチによると、京都・祇園で歩行者19名が死傷した暴走事故を起こした従業員が勤務していた、藍染製品販売の藍香房が1月8日、事業を停止し自己破産申請への準備を開始した。負債総額は約4億円。
藍香房は藍染製品の専門業者として設立。呉服、帯、洋服、ハンカチ、雑貨類のほか、健康食品や飲料なども取り扱い、卸販売や直営小売店舗も展開して、1997年1月期には売上高約8億4500万円を計上していた。
和装市場低迷の影響を受けて業績は大きく後退していた中、2012年4月に京都・祇園で、同社従業員運転の営業車が歩行者らをはねて通行人7名が死亡、12名が重軽傷を負った事故が発生した。
2013年には中西良子社長の管理責任が問われ、書類送検されたなど信用面が大きく後退。その後は小売業から撤退しスリム化を図っていたが、2015年1月期の売上高は約2億3000万円までに落ち込んだ。資金繰りが逼迫し事業継続を断念し、今回の措置となった。