本格マラソンシーズン到来…「水」を制する者がレースを制す

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教えて!「かくれ脱水」委員会がマラソンレースの予防と対策を公開
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教えて!「かくれ脱水」委員会は、マラソンレースを楽しく完走するための予防と対策を公開した。

市民ランナーが出場可能なマラソン大会が増え、各地でレースを目指すランナーが急増してきた。また秋冬は本格的なマラソンシーズンだ。そこで同委員会は、日本を代表するトップランナーで駿河台大学駅伝部指導者の徳本一善選手と日医ジョガーズの中村集先生に、マラソンレースを楽しく完走するための予防と対策を聞いた。

中村先生は「マラソンはレースとなるとさまざまなリスクがある」として、レース中やレース後に倒れたり、搬送されるランナーの数が増えていると語っている。心臓や肺をはじめ、いろいろな臓器に大きな負担がかかるという。

具体例として、カラダの水分や塩分の不足から脱水症(夏場は熱中症にもつながる)、ヒザや腰、かかとなどの関節、筋肉・じん帯の疾患、心臓への負担からの不整脈や心疾患、寒い季節にはカラダが冷えて起こることの多い低体温症などを挙げた。

「とくに脱水症は、秋冬のレースでも起きるもの」という。「気温や個人差はあるが、筋肉の痙攣、疲労や倦怠感、頭痛、めまい、吐き気などが現れ、重度の脱水症となれば意識を失い、場合によっては死に至ることもある」と語った。

徳本選手は「走ることが脱水へのリスクが高いことを強く自覚している」という。「注意していても、給水量が足りない学生が病院に搬送されたことがあった」として、その共通の原因として「練習中に給水量が少ないこと」「その朝に食事などから水分を摂っていないこと」を挙げた。

普段から徳本選手は「夜寝る前と朝起きたときはしっかり水分を摂れ」と指導し、練習前やレース前には経口補水液を飲むことも勧めているという。自身の予防法については、「レース前の夜に500mlのペットボトルを2回に分けて飲む。レース当日の朝も経口補水液を飲んでいる」と語った。

中村先生は「走る前に経口補水液を摂るのはいいこと。250mlを夜2回に分けて摂ったうえで朝飲むのは200ー250mlくらい」とコメントし、レース前、レース中、レース後の給水プランを立てると良いと話した。1時間あたりの失われる水分量の目安は、「事前にレーススピードで1時間走をおこない、前後の体重を測定してその体重差、すなわち体重減少量」だという。

中村先生はマラソンは脱水を引き起こしやすく、「中には水分の摂り過ぎで低ナトリウム血症(いわゆる水中毒)になるランナーも多くみられ、重傷者が倒れてドクターブースへ運ばれてきます。これは悪化すると死に至ることもある」と続ける。

低ナトリウム血症は、症状が脱水症と似ており、気分が悪い、吐き気、おう吐、顔面蒼白などがあると、さらに水分を摂ってしまう悪循環に陥ることがあるという。ランニング学会では"のどの渇き"に応じた水分補給を推奨。数値で判断するより、その時の"のどの渇き"やコンディションによって判断する。

中村先生は、ゴール後は「より有効な水分補給として経口補水液が良いが、レースでダメージを受けた筋肉を修復するために、できるだけ早いタイミング(できれば30分以内)にアミノ酸(BCAAを含んだもの)を摂ると筋肉痛が少なくて済む」と語っている。

マラソンレースの楽しみ方、参加する際の心得として、「まったく走っていない人は、いきなり走らずにウォーキングから」と話し、「週に3回30~40分程度の早歩きからはじめて、1時間くらいまで増やしていく」とアドバイス。マラソン大会では「いきなりフルマラソンの大会にエントリーするのは避けて、5~10kmの部に出て、次にハーフ」を勧めている。

徳本選手は、「レースに参加すると、いろんな人と知り合える。知り合った人から走り方の指導を受けたりすることがあり、自分がレース参加で進歩していくことを楽しめる」と話した。

マラソンレースを完走するために…予防と対策

《美坂柚木@CycleStyle》

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