【スーパーフォーミュラ 第6戦】SUGO戦はロッテラー圧勝…ホンダ勢の山本&野尻が2-3位、可夢偉は6位

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優勝した#2 アンドレ・ロッテラー。
  • 優勝した#2 アンドレ・ロッテラー。
  • 開幕戦以来の今季2勝目を挙げたロッテラー。
  • 朝のフリー走行、#2 ロッテラーがピットレーンで出走を待つ。
  • 優勝インタビューを受けるロッテラー。
  • 表彰台で握手する2位の山本と優勝のロッテラー。
  • #8 小林可夢偉は決勝6位。
  • エンジニアと作戦を練る小林可夢偉。
  • #16 山本尚貴が決勝2位に。

全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)第6戦は18日、宮城県のスポーツランドSUGOで68周(約250km)の決勝レースを行ない、アンドレ・ロッテラーがポール・トゥ・ウインで今季2勝目を挙げた。小林可夢偉は6位。

この日もSUGOは絶好の秋晴れに恵まれた。スタート約30分前の温度状況は気温21度、路温31度(路面ドライ)。午後2時30分、参戦全19台がフォーメーションラップへとマシンを発進させていく。

スタートでは1~2列目とも、不利と思われたイン側(オフライン側)のマシンが先行するかたちとなり、中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が2番グリッドから首位へ。ポールポジションのロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)は2番手に後退し、これに4番グリッド発進の山本尚貴(#16 TEAM 無限/ホンダ)、3番グリッド発進の石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)が続くトップ4の形勢でレースが始まった。5番手には野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)がつける。

波乱が多いコースとして知られるSUGOだが、この日はセーフティカー出動となるようなアクシデントはなくレースが推移していった。ピットストップに関しては多くの陣営がタイヤ無交換、給油のみという戦略を採るなか、そう多くはないコース上でのオーバーテイクによる上位の順位変動が起きたのは、14周終了の最終コーナーからストレート、15周目の1コーナーにかけて。ロッテラーが一貴をパスして首位を奪回する。

抜かれた一貴によれば、「あの時はちょっと(後ろのロッテラーとの)距離を見誤りましたね。近いな、と思った時にはもう来ていましたから」という状況だった。そしてそこから先はロッテラーが独走態勢を築いていき、5戦ぶりの今季2勝目を飾る。

「自分にとってはすごくナイスなレースだったね。マシンバランスが素晴らしく、とても楽しめて、思うように走れたよ」と、勝ったロッテラー。今季は開幕戦制覇以降、彼にしてはもうひとつの結果が続いていたが、今週末は走り出しから人車とも絶好調。やはりこの人が本調子になると誰も手をつけられないくらい強い。スタートでの遅れこそあったが、自身の真価を証明する、ロッテラーらしい圧勝の通算22勝目であった。

2~5位の一貴、山本、石浦、野尻の序列は、主にピット戦略で動くこととなり、最終的には2位山本、3位野尻、4位一貴、5位石浦の順でゴールを迎える。今季苦闘が続いていたホンダ勢の2台が、チャンピオン争いの主役であるトヨタ勢の2台に先んじる結果となったわけだが、2位の山本は「(ホンダ勢全体としても)課題だったスタートを決められました。それが2位につながったと思います」と語っている。

山本はピットでの給油時間が短かったが、それに関しては「燃料はギリギリでした。でもプッシュしつつ、そのなかでセーブもして、という走りでした」との旨を話し、チャンピオン獲得を決めた13年最終戦鈴鹿(2レース制で優勝&3位)以来、自身約2年ぶりの表彰台獲得に一定の充実感を漂わせてもいた。

3位の野尻は昨年のSUGOで初優勝を達成しており、当地2年連続の表彰台。そしてチャンピオン争いのトップ2である両名が4~5位となり、先着した一貴が石浦との差を1点詰めて、6点差とした。なお、タイトルレースは石浦から14点差で並ぶロッテラーとジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ=今回7位)にも可能性が残っており、4人による争いで最終戦へと向かう。

小林可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)は7番グリッド発進からスタートで6位に上がり、早めのピットストップで単独走行時にペースアップする作戦を敢行しての浮上を狙った。実際、10周目にピットした後のペースは素晴らしく良かったのだが、結果的にはピットイン以前に自分より上位だった5台の前に出ることは叶わず、6位だった(最後はガス欠しつつゴール)。

「想定通り、ピットアウト後は速いペースで走れてはいました。(いいタイミングで)セーフティカーが出ていたりすれば、勝てた可能性もあったかもしれませんね」。今回の結果で可夢偉のタイトルの可能性は完全に絶たれたが、「まあ、うまくいかなくてもポイント圏内(8位以内)で帰ってくることはできていますし、次の鈴鹿では勝ちにいきたいと思います」と、国内では彼にとって稀少ともいえる実戦経験豊富なコース、鈴鹿に初優勝の夢をかける(鈴鹿は開幕戦でも経験済み)。

残すはいよいよ最終戦のみとなった今季のSF。三重県の鈴鹿サーキットにて、11月7日に予選、8日に決勝(2レース制)という日程での開催となる。2015年の“日本一速い男”の称号をかけた戦いがクライマックスを迎える。

《遠藤俊幸》

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