9月16日の「マレーシア・デー」にマレー人右派団体が「マレー人尊厳協会集会」と称する大規模集会の開催をクアラルンプール(KL)で計画している。
警察が「許可を得たものでない」と中止を求めている。野党だけでなく与党からも「民族間の亀裂を深める」と反発の声が上がっている。
公正な選挙を求める活動を行なっている非政府組織(NGO)が8月29日午後から31日未明にかけて開催したナジブ・ラザク首相の退陣を求める大規模集会、「BERSIH(クリーン)4.0」に対抗したもので、BERSIH4.0の黄色シャツに対抗して赤シャツを着ているため「赤シャツ・ラリー」などとも呼ばれている。BERSIH4.0に対抗して集会の同時開催を計画したが、不測の事態を恐れる警察に中止を迫られて断念した経緯がある。
「マレー人尊厳協会集会」計画は、与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)のジャマル・モハマド・ユノス氏(スンガイベシ支部)ら末端右派とUMNO機関紙であるマレー語紙「ウトゥサン・マレーシア」が主導しているとされる。「ウトゥサン」は警察に集会開催を承認するよう求めているという。
数万人ともいわれるBERSIH4.0参加者の多数を華人が占めていたこともあって、ユノス氏や「ウトゥサン」は野党・民主行動党(DAP)がBERSIH4.0を陰で操っていると考えており、これが「マレー人尊厳協会集会」の動きにつながっている。対するDAPは、BERSIH4.0への関与を否定している。
なおユノス氏は、10月10日にもナジブ首相支持の大集会をKL中心部各地で企画していることを明らかにしている。