リンギ下落に歯止めがかからない状況のなか、中央銀行バンク・ネガラの幹部が内外の外為ディーラーを呼び、リンギ売りをもたらす取引を結ばないよう求めたと7月31日付のザ・スターが報じた。
ディーラーの間に、1米ドル=4リンギの相場でプットオプション(あらかじめ決められた価格で特定商品を売ることのできる権利)を交わす動きが見られるからだ。
リンギは、7月30日の取引で一時、1米ドル=3.8288の安値を記録した。中銀は、1米ドル=3.65リンギがマレーシア経済の基礎的条件を反映した相場と見ている。
マレーシアの外貨準備高は減少しており、リンギ下支えを目的とした市場介入も制約されるため、中銀はほかの手段に訴えざるを得ない。豪コモンウエルス銀行のシンガポール駐在ストラテジストは、外国人投資家の保有比率が高い国債市場からの資金流出が起これば、リンギ相場に大きく影響すると述べている。