クアラルンプールの家電ショッピングモールの「ローヤット・プラザ」で起きた窃盗事件がきっかけで、12日夜に100人あまりの抗議者が押し掛ける事件があった。混乱のさ中に5人が殴られるなどしてケガをした。
暴動の発端は、11日に起きたスマートフォン販売店での窃盗事件。周囲の人が22歳の男を取り押さえ警備員に引き渡したが、捕まった男の仲間が店舗の商品や設備を破壊し、店員を殴るなどしたという。男と仲間はその場で警察に逮捕された。被害総額は7万リンギに上るという。
その光景を撮影した動画がソーシャルメディアで公開され、民族問題に起因するものと曲解され広まった。「海賊版を売りつけられそうになった男が抗議したところ窃盗容疑をかけられた」などと犯人を擁護する書き込みも現れた。
こうしたことが引き鉄となり、マレー系の非政府組織(NGO)の代表者を含む100人以上が12日「ローヤット・プラザ」に集結。偏見ある捜査が行われているとして抗議を行った。NGOのメンバーは、逮捕された男がモールのスタッフに殴られるなど、ひどい扱いを受けたため抗議を行うことを決定したと述べた。多くの人が集まったためモール周辺は一時期封鎖された。取材をしていたジャーナリストを含む5人が殴られるなどしてケガをした。抗議開始から3時間後には解散した。
カリド・アブ・バカル警察長官は、今回の事件について民族問題に全く関係ないと言明。デマを信じないよう呼びかけた。