いすみ鉄道の国鉄風新型車、最後の車両は形式も国鉄風

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いすみ鉄道の鳥塚亮社長はこのほど、新型車両のキハ20形気動車1両(キハ20 1303)が大多喜駅(千葉県大多喜町)に到着したことを、同社ウェブサイトのブログで明らかにした。旧国鉄の一般形気動車を模したデザインが特徴で、塗装や車両の形式名も国鉄風にしている。

いすみ鉄道では、1988年の開業時に導入したいすみ200形気動車6両を新型気動車5両に置き換える計画を進めており、セミクロスシート・トイレ付きのいすみ300形2両と、ロングシート・トイレなしでイベント対応車のいすみ350形2両が既に導入されている。今回のキハ20 1303の導入により、いすみ200形の置換え計画が完了することになる。

キハ20 1303の基本的な仕様はいすみ300・350形と同じで、車両の両端に運転台を設置。車内はいすみ300形と同じセミクロスシート・トイレ付き、車体はキハ350形と同じ国鉄の一般形気動車を模したデザインでまとめられた。塗装はいすみ300・350形とも黄色をベースとしたいすみ鉄道のオリジナル色を採用したが、キハ20 1303は国鉄の一般形気動車にあわせ、クリームと赤の2色塗装(一般色)が採用された。

車両の形式名も旧国鉄の命名方式にあわせており、エンジンが1機であることと車両の両端に運転台が設置されていることから「キハ20」に。車両番号は当初、いすみ300形2両(いすみ301・302)に続く「303」にすることも考えられたが、「キハ20 303」は国鉄の気動車として実際に存在していたことが判明。鳥塚社長は「二代目として同じ形式名を名乗ることもありですから、番号がかぶっても良い」としつつ、「(いすみ鉄道としての)オリジナル感を出すために1000番台に振り分けて、1303となった」としている。

現在は各種試験と試運転が行われており、国土交通省への申請手続きを経て営業運行を開始する予定。性能上はいすみ300形と同じだが、形式が異なることから「手続きに時間がかかる見込み」(鳥塚社長)という。

一方、新車導入計画により置換えの対象となったいすみ200形は、既に4両が譲渡されている。残る2両のうち運用を離脱した1両(いすみ202)は、沿線地域の事業者に譲渡される見込み。もう1両(いすみ206)は検査期限を迎えるまで相当な期間があることから、当分は運用される模様だ。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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