スーチー氏不在中に改正案を提出
中国を訪問しているミャンマー最大野党「国民民主連盟(NLD)」の党首アウンサンスーチー氏。
今秋に行われる予定の総選挙を有利に進めるために中国を訪問しているとみられるが、与党・連邦団結発展党(USDP)がスーチー氏の不在を見計らったかのように、憲法改正案を国会に提出した。
スーチー氏はかねてより憲法改正を目指し、今年4月には政府や与党、国軍との対話も実現。しかし、大統領、国軍側が日程調整ができないとして再び対話が行われることはなかった。
提出された改正案は、軍事政権下に制定された現憲法と同じく「外国人の配偶者や子どもがいる人物は大統領になれない」と規定。英国籍の息子が2人いるスーチー氏は、事実上大統領就任は不可能となる。
改正案では大統領資格として、子どもの配偶者が外国籍である場合は容認するなど、わずかな修正のみ。また、「全議員の75%超の賛成」を必要としている憲法改正要件を「70%以上」に緩和した。
総選挙ボイコットで政局が緊張する恐れ
ミャンマーの国会は、USDPとこれに近い国軍議員が議席の4分の3を占めるため、改正案の可決は濃厚とみられる。
また、国軍は憲法改正自体に反対の姿勢を崩していないため、憲法改正要件の緩和を否決する可能性も高い。
一方、NLD は大統領資格が改正されない場合、総選挙をボイコットする可能性も示唆。ミャンマーの政局が一気に緊張する恐れもある。
(画像はイメージです)