マレーシアの通貨であるリンギは4日、1米ドル=3.6983リンギと前日比0.36%値下がりした。韓国ウォン、台湾ドル、インドネシアルピーも下落した。6月5日付のザ・スターが報じた。
マラヤン・バンキング(シンガポール)のサクティアンディ外為調査部長は、欧州中央銀行ドラギ総裁の発言が域内通貨の動きに影響したとの見解を示した。
ドラギ総裁は3日の理事会後の記者会見で、金利が非常に低い水準にある時は債券価格の変動が高くなる傾向があるとし、「われわれは変動が大きい状態に慣れる必要がある」と発言。これがきっかけとなり欧州を始め世界各地で債券利回りが上昇した。
一方、フスニ副財務相は3日のテレビ番組で1マレーシア・デベロップメント(1MDB)の問題に触れ、政府が同社救済のため負債(420億リンギ)を肩代わりすることになった場合、予算赤字は拡大し、マレーシアの格付けは下がり、リンギもさらに下落するとの見通しを示した。
クレディ・スイスは通貨下落を、輸出志向型経済には好ましいと見ており、中央銀行バンク・ネガラは秩序あるリンギ下落を容認すると予想している。