アジア特許銀行家研究所(AICB)は世界規模の銀行学を学ぶことができるアジア・バンキング・スクールをクアラルンプール(KL)に設立する計画を明らかにした。
マレーシアや東南アジア諸国連合(ASEAN)全体でプロフェッショナルな銀行家を育成するための機関で、中央銀行バンク・ネガラに近い場所に開設する。
AICBの訓練基金から投資を行う予定で、銀行産業で課題となっている人材不足の解消や質の高い人材の輩出を目指す。能力の高い銀行家を育成することで、マレーシアを地域や世界的な人材のハブとすることを目的とする。
22日開催された会議に出席したバンク・ネガラのムハマド・イブラヒム副総裁は、人材を持続的に訓練し、知識を増やすことはとても重要で経済発展に伴う競争の激化にも対応できるようになると指摘。マレーシアの金融産業では人材の数は多いが能力が高い人材は不足しており対策をとることが重要だと述べた。また、教育機関や産業側が協力することで、質の高い人材を育成、輩出するサイクルを作ることが必要だと強調した。
バンク・ネガラはシニアレベルの人材を含めた全てのレベルの人材の能力を高めるための計画を策定している。向こう10年で金融サービス産業の従業員の数は15万人に達し、7万3,000人が新たに採用されると見込まれている。イスラム金融の専門家育成や金融サービスのプロフェッショナルを育成させるための委員会も設立し、資格を授与するなどの制度も整えていく予定だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月23日、ベルナマ通信、4月22日)