巨額の負債を抱えて経営状態が問題視されている政府系投資会社1マレーシア・デベロップメント(1MDB)は13日、返済が滞っていた20億リンギのブリッジ・ローンを返済したと明らかにした。
1MDBが支援を要請していた資産家のアナンダ・クリシュナン氏が支援に合意したと報じられていたが、マレー系新聞の取材に対しアルル・カンダ最高経営責任者(CEO)は真っ向から否定。18日の返済期限を前に返済したと強調した。しかし、資金調達方法については明言を避けた。
20億リンギは1MDBのエネルギー部門子会社、パワー・テックが昨年5月に借り入れた総額55億リンギのブリッジ・ローンの一部で、昨年11月に20億リンギが返済期限となっていた。マラヤン・バンキング(メイバンク)、RHBなどから貸し付けていた。
与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)のバトゥ・カワン支部のアブ・ハサン副支部長は、1MDBが財務省傘下企業であることから国民に説明する義務があると指摘。どのように返済したのか明確にすべきとの見解を示した。また野党連合・人民同盟(PR)の一角を占める民主行動党(DAP)のトニー・プア宣伝部長も同様の見解を示し、昨年11月に返済できなかったことを挙げ、返済したとの声明を単に発表するだけでなく、利子等の詳細も国民に明らかにすべきと述べた。