【マツダ アテンザ / CX-5 改良新型】ナビアプリ刷新のマツダコネクト、より“日本的に”使いやすく

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マツダ CX-5 改良新型
  • マツダ CX-5 改良新型
  • マツダ アテンザ 改良新型
  • マツダコネクトを搭載するようになったCX-5改良新型の運転席周り
  • マツダ CX-5 25S Lパッケージ 4WD
  • コンソールにはマツダコネクトをコントロールするロータリーコマンダーが設置された。右は新設された電動パーキングブレーキ
  • 容量を16GBとしたナビゲーション用SDカードPLUS。価格は4万8600円
  • 地図データはトヨタマップマスター製。ナビアプリはミックウェアとの共同開発となった
  • 首都高速の入口案内。難交差点では専用地図も表示する

『アクセラ』に搭載されて以来、その進化に期待がかかっていたマツダのインフォティメント システム『マツダコネクト』。今回、マイナーチェンジを受けた『CX-5』と『アテンザ』にも搭載されたが、その内容はナビゲーション系で大幅な変更を施されていることがわかった。

アテンザの開発主査を務める松岡英樹氏は、「業界的にはマイナーチェンジ的な位置づけだが、我々はフルチェンジを行うつもりで一からすべてを見直した」と話す。新型のCX-5とアテンザ両車にマツダコネクトを搭載するに当たっても、より多くのCAN情報を導入するなど様々な工夫が施されたという。

まず、マツダコネクトに組み合わせるナビゲーション用アプリは、従来のNNG製から日本のMicware(ミックウェア)との共同開発したものに切り替えられた。ミックウェアは従来よりトヨタマップマスター(TMI)製地図データを使ったスマホ向けナビアプリを手掛けており、マツダは日本仕様に限ってこのアプリを使用することにした。

今回の搭載でシステムの変更はあったのかという質問に対し、マツダコネクトの企画に携わった商品本部の元木昭宏氏は、「リナックスで動くマツダコネクトのシステム自体に変更はなく、ナビゲーション用アプリとの接続部分に改良を加えただけ」と回答。システムの機能に変わりはないという。

一方で、ミックウェアのナビアプリを採用することでナビゲーションは大幅に変更された。ナビゲーションを使えるようにするためには、ディーラーオプションで専用SDカードを購入する必要があることに変わりはないが、従来の4GBから16GBへ大幅に容量をアップ。この結果、音声ガイドも従来の電子合成音ではなくなり、TMI製ナビで馴染みのある肉声データが使えるようになった。

日本製ナビゲーションで馴染みのある交差点拡大図も採用され、TMI製らしく難交差点ガイドも行うようになった。地図は2画面表示が可能となり、スケールの異なる地図やAVソースとの同時表示も実現(走行中の映像表示は不可)。高速道路での施設情報リストも範囲に制限なくスクロールできるようになった。また、高速道路の利用するIC指定もできるなど、これまでTMI製ナビで利用できるものは一通り使えるようになったと言っていいようだ。

目的地検索では、絞り込み方法が日本で一般的なエリアやジャンルでの方法が選べるようになり、住所検索では番地指定が10キーから入力できるようになっている。また、様々なスマホ用アプリで探し出した位置情報を目的地として利用可能になる「NaviCon」にも対応した。VICSには従来通りFM多重によるものを基本とするが、ディーラーオプションでDSRC車載機を選ぶと電波/光ビーコンを併用できるようにもなっている。

インターフェイスについては、従来通り縦/横方向にのみ動く(斜め方向はできない)ロータリーコマンダーによるものだが、タッチパネルでの操作ではピンチイン/アウト、フリック操作も可能になった。そのため、タッチパネルはスマホでも使われ静電容量型に変更されている。ただ、ロータリーコマンダーを使うことを前提にモニターが配置されているため、画面はやや遠い。動きもスマホのようなスムーズさはなく、左手でこれが十分に機能させられるかは少々疑問が残る。

気になる測位精度については、元木氏によれば「システムそのものは従来を変わっていないので3Dジャイロも独自には搭載していない。しかし、車両側から勾配角を反映できるCAN情報を入力することで高低差の認識も可能にした」という。ただ、測位に関して従来のGPS優先方式を継続採用しているかについては「後日回答」となった。

この日の試乗は横浜市付近の首都高速を周回するのが中心。時間に限りがあったため、試乗が十分であったとは言えないが、少なくとも首都高速がある高架道とその下の一般道ので高低差を自動認識することはなかった。元木氏によれば「ミックウェアに対してはTMI製地図データからスペックを落とすことなく使うように指示している」とのことで、「地図データにも傾斜データは収録されていると認識している」と回答した。

また、測位する動きを見ていると高架下などに差しかかると、自車位置をスキップして表示するような現象が見られ、この現象から推定するとGPSを優先して測位の上、車速パルスを加えているようにも感じられた。ただ、この真偽については後日のマツダからの回答を待ちたいと思う。

短い時間であったため、使用感を十分体感できたとは言えないが、少なくともナビゲーションとして扱いやすくなったのは間違いない。目的地設定も馴染みのあるインターフェイスということもあってスムーズに行え、ルート案内中のガイドも見やすく、わかりやすくなったのも確かだ。

これまで「マツダコネクトがネックで車両選択の決断ができない」との声が多く聞かれたが、少なくとも新型となったCX-5とアテンザについてはそれは当てはまらない。気になるのはアクセラやデミオへの対応だが、それについて元木氏は「今の段階では何とも答えられないが、ユーザーのご希望に添えられるよう努力はしていく」と回答。今後の展開に期待をしたい。

《会田肇》

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