5月3日に滋賀県高島市で開催される脊髄損傷の治療研究の認知度向上と寄付を目的としたチャリティマラソン「Wings for Life World Run」の記者発表会が都内で行われ、レーシングドライバーの小林可夢偉がアンバサダーに就任した。
このイベントは脊髄損傷の研究を国際的に進めている非営利団体「Wings for Life」への研究資金寄付を目的として始められたチャリティマラソン。世界33か国、35会場で約5万人以上のランナーが同時刻にスタートする大規模なもの。通常のマラソンとは異なり何kmを走り切るというゴール設定がなく、スタートから30分後に動き出す「キャッチャーカー」に追い抜かれた時点でレースが終了。一番長くキャッチャーカーから逃げ切ったランナーが世界チャンピオンとなるユニークなものだ。
5月3日に開催される第2回大会では、初めて日本も会場が設けられ、滋賀県高島市の琵琶湖に面したコースが舞台となる。なお世界標準の午前11時に全会場一斉スタートなるため、日本会場のスタート時刻が午後8時となる。
今回、可夢偉に加えレッドブル・エアレース・パイロットの室屋義秀選手、100kmマラソン世界記録保持者で第1回大会の出場経験もある砂田貴裕氏、車椅子バスケットボール元パラリンピック日本代表で、ご自身も脊髄損傷を患っている京谷和幸氏がアンバサダーに就任した。
実は、この発表に合わせて可夢偉は脊髄損傷というものを深く理解するために先日渋谷で車椅子での生活を体験。会場ではその動画も放映され、駅の改札を通る際の不便さや、混雑するスクランブル交差点を横断する時の難しさを感じていた。
改めて集まった記者団たちと映像を見た可夢偉は「日頃は気にしていない交差点での小さな段差や、道路に空いた小さな穴に車椅子の車輪がとられてしまうというのを体験しました。これらを避けるためにどこを通るかなどを常日頃から考えなきゃいけないというのは、本当に大変なことだと感じました。」とコメント。
そして「このイベントを通して脊髄損傷というものをより多くの人に知ってもらいたいし、皆で手助けしていける環境作りに貢献していきたい」とアンバサダーとしての決意を語った。
大会当日はスケジュールが合えば可夢偉も参加予定。これまでマラソン大会等の経験はないとのことだが「当日走る事ができれば15~20kmはキャッチャーカーに追いつかれないように頑張りたい」と意気込みを語った。