【新聞ウォッチ】 ロシア通貨暴落で「逆オイルショック」の危機…自動車株も軒並み下落

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ロシア・モスクワ市内(イメージ)
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2014年12月17日付

●学校襲撃141人死亡、タリバン生徒に乱射、パキスタン(読売・1面)

●ルーブル最安値更新、原油下落で新興国、通貨安続く(読売・9面)

●円安で痛み原油安恩恵、揺れる家計、輸入食品値上げ、ガソリン・電気値下げ(毎日・8面)

●全日空、日航と共同運航、スカイマーク5年間の限定、来春目標(毎日・8面)

●エコカー減税継続、ふるさと納税上限2倍に、自民税調検討(産経・3面)

●消費低迷企業及び腰、春闘賃上げへ政府再び介入、自動車業界「去年とは違う」 (東京・3面)

●ホンダ、部品不足国内30万個超、エアバッグ交換に時間(日経・3面)

●東南アジア、企業も渋滞対策、トヨタ交差点を改良工事、住友電工信号切り替え制御(日経・9面)

ひとくちコメント

原油価格の値下がりを背景にロシアの通貨ルーブルが売られ、一時1ドル=79ルーブルまで暴落し、対ドルの過去最安値を更新した。ロシア中央銀行は政策金利を10・5%から17%へと大幅に引き上げたが、ルーブル安に歯止めがかからない。

きょうの各紙が「ロシア通貨暴落、1日で2割」(朝日)などと、大きく報じているが、日経は1面トップで「原油安、金融市場揺るがす」として、「原油安が世界経済に悪影響を及ぼすリスクが出ている」と警戒している。

毎日は「産油国軒並み通貨急落」との見出しで「逆オイルショック」ともいえる様相だと伝えた。また、産経は「原油価格の下落はロシア通貨のルーブル安だけでなく、日本をはじめ先進国にも悪影響を及ぼしかねない」と報じて、「世界同時株安が続く懸念もある」と指摘する。

12月16日の東京株式市場でも、日経平均株価の終値は前日比344円08銭安の1万6755円32銭と、約1か月ぶりの低水準。「ロシアに生産工場を持つ一部の自動車株が売られるなど、個別企業の業績への影響も心配される」(朝日)との見方も出てきた。前日の終値と比べてマツダが108円安の3.69%も下げたほか、三菱自動車が35円安の3.14%、日産自動車も28円安の2.63%の下落などと、軒並みと売られた。

外国為替市場でも、リスク回避の動きから円や日本国債が買われ、ニューヨークでは、一時は115円57銭と、11月17日以来の高値を付けた。

16日に開かれた政府、経済界、労働団体代表による「政労使会会議」では、2015年春闘に向けての「賃上げ」を促す合意文書がまとめられた。きょうの東京によると、経済界からは「去年とは違い積極的な発言ができる環境ではない」(三菱自動車・益子修会長)との声も上がったという。原油安に通貨安の不安が資源国や新興国に広がれば、日本の自動車メーカーの業績にも悪影響を及ぼしかねない。

《福田俊之》

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