錦織圭選手のコーチ、マイケル・チャン…車いすテニス世界王者と夢対決

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国枝慎吾 参考画像(2014年9月5日)(c)Getty Images
  • 国枝慎吾 参考画像(2014年9月5日)(c)Getty Images
  • 国枝慎吾 参考画像(2014年6月19日)(c)Getty Images
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東京の有明コロシアムで開催された今年の「TOUCH!WOWOW2014 presents 日清食品ドリームテニスARIAKE」に、車いすテニスの世界王者、国枝慎吾も参加した。

国枝は当日まで誰と対戦するか報されず、会場入りしてからマイケル・チャンとのシングルスを明かされた。

チャンは国枝にとって、テニスを始めたころ世界のトップ戦線で活躍していた選手。憧れの選手との対戦は、まさにドリームマッチとなった。

試合は10ポイントタイブレークマッチで行われた。軽快な動きでチャンが立ち上がり連続ポイントを奪うが、国枝も随所に世界王者のテクニックを見せ、会場に集まったテニスファンから感嘆の溜息が漏れる。

最も驚いたのは打ち合ってるマイケル・チャンだったかもしれない。時おり「それを返すのか」といった、驚きの表情が見られた。

試合はツーバウンドまで許される車いすテニスルールで行われたが、国枝は前へ前へ出てほとんどのボールをワンバウンド以内に返す、いつもの積極的なスタイルを見せた。テニスの技術に加え、巧みなチェアワーク(車いす操作)や強靱な肉体が備わり初めて実現する、世界でも類を見ない超攻撃的なテニス。

スライスを利かせたバックハンドクロスでライン際に落とし、前へ出てきた相手には頭の上を越すロブ、打ちごろのボールが返ってくればスマッシュとマイケル・チャンを振り回した。

試合は国枝の4連続ポイントも見られ9-9と競ったが、最後はボールがネットに掛かり11-9でチャンが勝利した。

この試合はWOWOWでも無料放送されており、初めて車いすテニスに触れたファンの「ストローク戦でチャンを追い詰めるとは...この競技舐めてました」といった声が投稿されている。

試合の感想では「国枝かっこよ」「改めて国枝慎吾すげぇ。 それに容赦なく叩き込むチャン」「車椅子漕ぐだけでもかなり体力使うのに、あの力強いショット!」といったものや、「明日からロンドンなのにドリームテニス参加してくれたんですね」など、世界マスターズへ向け試合後さっそく旅だった国枝に感謝の言葉を綴るファンもいた。

国枝は2009年に、日本の車いすテニスプレーヤーとしては初めてのプロ選手となった。かつてインタビューで、その理由を「あとに続く選手の目標になりたい」と語ったことがある。

当時大学職員として働いていた国枝は、車いすテニス選手としては恵まれた環境にあったが、このまま現役を終えていいのかとも考えていた。車いすテニスの賞金は、テニスの何分の一という世界だ。グランドスラム制覇でも6万USドル。

車いすテニス選手は、試合に出れば出るほど赤字になる状況だった。

国枝は自分が活躍しメディアに取り上げられる機会増えれば車いすテニスが盛り上がり、選手が試合に集中できる環境も作れるのではないかと考えた。いわば自ら車いすテニスの広告塔となる道を歩んだのだった。

世界ランク1位の選手が兼任では「頑張ってもそんなものか」と、あとに続く人が車いすテニスに夢を見てくれなくなるとの思いもあった。

後進に夢と競技に打ち込める環境を与える。世界王者の自分がやらなければならないと思った。今や個人の名誉や生活のみならず、競技そのものを背負って立つ存在となった国枝慎吾。

彼の活動には世界が注目している。

【テニス】1万人に見せた車いすテニスの魅力、国枝慎吾がマイケル・チャンとエキジビジョンマッチ

《岩藤健@CycleStyle》

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