マレーシアは富裕層に富が集中、不均衡な状態に …格差拡大の傾向

マラヤ大学(UM)とカザナ・リサーチ・インスティチュートは、マレーシアでは富裕層に富が集中しており、不動産や収入が顕著に不均衡な状態にあるとの共同調査結果を明らかにした。

エマージング・マーケット 東南アジア

マラヤ大学(UM)とカザナ・リサーチ・インスティチュートは、マレーシアでは富裕層に富が集中しており、不動産や収入が顕著に不均衡な状態にあるとの共同調査結果を明らかにした。

政府が実施した家計調査(HIS)のデータは、民間セクターの賃金や公的セクターの雇用、 全国不動産情報センター(NAPIC)の情報には差があるという。HISのレポートによると、世帯の総収入の不均衡は解消されつつあるとしているが、他のデータを見ると個人の収入や住宅の所有率の不均衡は広がりつつある。UMのリー・ホックアウン教授らが5日行われたセミナーにおいて明らかにした。

従業員積立基金(EPF)のデータによると、銀行預金の偏在度(ジニ係数)は2004年には 0.643ポイントだったのが2013年には0.661になっている。ジニ係数は国家における所得分配の不平等さを測る係数。HISのデータでは、2012年のマレーシアの世帯資産のジニ係数は0.43となっていた。

26-35歳の労働者の賃金の増加率は縮小傾向にあり、40歳以上の賃金と比べて増加率が少ないという。EPFのリポートなどによると、管理職の収入が高い一方でそれ以外のランクの労働者の賃金はあまり増えていない。上位10%の賃金が増加し、一部に多くの賃金が支払われている。

一方で、NAPICのデータによると、住宅不動産のジニ係数は1996年には0.51、2011年には0.53と増加傾向にある。富裕層が購入した高級不動産の価値は増加している一方で、一般のバイヤーが購入する不動産の価値は上昇していない。

千田真理子

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