フロスト&サリバンは、環境に配慮した自動車の開発や車体軽量化に向けた取り組み、消費者からの車内の快適性を求める声の高まりに伴い、自動車用途の繊維市場が今後世界的に拡大するという見通しをまとめた。
フロスト&サリバンの新たな調査分析「自動車セクター向け繊維の世界市場分析」によると、自動車用途の繊維の世界市場規模は、2013年の24億6000万米ドル(約2821億円)から、2020年には40億2000万米ドル(約4611億円)に成長する見通しとなっている。
今回の調査では、自動車用途の複合材料、およびテクニカルテキスタイルの2種類が対象。対象となる繊維は、炭素、ガラス、天然素材、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アラミド、レーヨンが含まれる。
車体軽量化に向けた取り組みは、マルチマテリアル化が中心となっており、様々なパーツにアルミニウムや高強度の鋼鉄マグネシウム、プラスチックなどの素材を利用。繊維強化複合材料の利用拡大が今後期待されている。一方、消費者からの車内の快適性や安全性のニーズの高まりは、テクニカルテキスタイル向け繊維市場の成長へとつながるとしている。
フロスト&サリバンの化学・素材・食品原料部門リサーチアナリスト、ディーパック・カーティケヤンは「繊維強化複合材料に関しては、特にラグジュアリー車やスポーツ用多目的車(SUV)メーカーが主要なエンドユーザーとなることが見込まれる」と述べている。