ガーナ、チュニジア、エチオピア抜く
広大な自然、マラソンなどスポーツのイメージが強い東アフリカのケニアだが、同国政府が国内総生産(GDP)を改定した結果、実は2013年のアフリカ大陸内の経済規模ランキングで10傑に入っていることが分かった。
過去の統計が経済規模の実情を反映していないことを受け改定したところ、GDPを、これまでの426億ドル(約4兆6000億円)から25%増の534億ドルに跳ね上がった。この結果は、アフリカ大陸54か国のうち、ガーナとチュニジア、エチオピアを抜いて9位に当たる。
ICTの重要視政策進める
ケニアのGDP改定は2005年以来で、主力である農業、製造業について、これまで集計対象となっていなかった数値を反映した。また近年、同国において成長分野の情報通信技術(ICT)を産業項目の一つとして分離したもの。
2013年におけるケニアのGDPに占めるICTの比率は5%にも満たない小さなもので、25%を占める農業や11%の製造業には及ばない。だが、「農業国から産業国へ」をスローガンとして、海外の投資を誘致しているケニア政府において、ICTは最も重要視する産業だ。
首都ナイロビ郊外には、ハイテク企業専用の産業団地を整備しており、周辺には同企業で働くインド人技術者が多く住む「インド人街」もあり、米シリコンバレーにちなんで「シリコン・サバンナ」とICT産業を表現する。
製造業だけでなく、欧米のホテルチェーンやファストフードなど、サービス分野の進出も相次いでおり、13年の直接投資の受け入れ額は約5億1400万ドルで、前年と比べてほぼ倍増。産業構造の多角化の兆しもある。
アフリカ有数の経済国とのイメージを内外に印象づけることで、投資呼び込みに弾みがつきそう。GDP改定については疑問視する専門家もいるが、世界銀行の現地事務所代表は「信用できる」との見解をロイター通信に示している。