セランゴール州のカリド・イブラヒム州首相が人民正義党(PKR)の方針に反して州首相に居座っている問題で、カリド氏は11日、同州スルタン、シャラフディン殿下と面会し続投への同意をとりつけた。
PKR党中央は9日、カリド氏に対して党籍剥奪を決定。カリド氏は党籍剥奪の処分については受け入れるとしているが、無所属になってからも州首相職にとどまる意向を示していた。
当面はカリド氏が州首相にとどまるが、PKRと野党連合・人民同盟(PR)で共闘する民主行動党(DAP)もカリド氏を支持しない意向を表明しているため、これまでもカリド氏支持を主張してきた汎マレーシア・イスラム党(PAS)のみが実質的にカリド政権を支えることになり州政が混乱をきたす懸念がある。
PASは当初、PR間の協調からカリド氏の罷免に最終的に同意するとみられていたが、カリド氏留任をスルタンが承認したということになれば堂々とカリド氏を支援するとみられる。PASはカリド氏の受け入れ容認を示唆しており、カリド氏もPAS合流を匂わせる発言を行っている。カリド氏の動向如何ではさらにPR構成党間の亀裂が深まることが予想される。DAPは無所属になったカリド氏を受け入れることはないと言明している。