生活機器のセキュリティ、2020年までに解決すべき課題とは

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重要生活機器連携セキュリティ研究会会見
  • 重要生活機器連携セキュリティ研究会会見
  • 重要生活機器連携セキュリティ研究会 徳田英幸 会長(慶應義塾大学教授)
  • 重要生活機器連携セキュリティ研究会 徳田英幸 会長(慶應義塾大学教授)

重要生活機器連携セキュリティ研究会は6月13日、自動車や医療・ヘルスケア、AV家電といった生活に欠かせない機器のセキュリティで対応すべき課題をまとめた提言を発表した。

提言ではまず、自動車に代表される生活機器はITの活用で利便性が高まる一方で、こうした生活機器のセキュリティはほとんどが未整備なためサイバー攻撃の対象にもなり得ると指摘。さらにオリンピックの年には開催国に対する攻撃が急増する傾向があることから、2020年に向けた取り組みを急ぐよう求めている。

研究会の会長を務める慶應義塾大学の徳田英幸教授は同日都内で会見し、「生活機器のセキュリティという観点からみると、私達が気付かないうちに生活機器同士がつながっていたり、遠隔から操作される可能性が増えている。生活機器にもサイバー攻撃が頻発すると、場合によってはユーザーの生命や財産にも影響を及ぼす可能性がある」と警鐘を鳴らした。

このため提言では行政や生活機器メーカー、サービス提供会社さらにはユーザーがとるべき対策を5項目にまとめ、指針として示した。

具体的には「つながる生活機器のセキュリティに目を向けよう」、「ユーザーを巻き込んだセキュリティ対策を考えよう」、「業界横断的な検討の場を設けよう」、「世界の安心・安全に貢献しよう」、「世界に誇れるセキュアなモノづくりを進めよう」となっている。

このうち世界の安心・安全について徳田会長は「セキュリティの標準化が進んでいない生活機器分野においても、日本が国際標準を進めることで貢献できるようにしたい」と語った。

さらに「これらの提言については内閣官房情報セキュリティセンターや関係省庁とも議論し色々な政策の参考として頂きたい」とも述べた。

重要生活機器連携セキュリティ研究会は生活を支える機器のセキュリティに関する方策などを検討することを目的に2014年1月に大学や企業、団体に属する学識経験者、技術者、コンサルタントらが集まって発足した。

《小松哲也》

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