警察庁は6月3日、「国際的なボットネットのテイクダウン作戦」について発表した。本作戦は、インターネットバンキングに係る不正送金事犯に使用されているとみられる不正プログラム「Game Over Zeus」(GOZ)が世界的に蔓延していることから、米国連邦捜査局(FBI)および欧州刑事警察機構(ユーロポール)が中心となり、日本の警察を含む協力国の法執行機関が連携して決行しているもの。GOZに感染した端末で金融機関の正規のWebサイトへアクセスすると、GOZが正規のログイン画面等を装った偽の画面を表示させて各種情報の入力を要求し、偽の画面と気付かずに入力した情報を窃取され、その結果、当該利用者の口座から不正送金が行われてしまう。
最終的には、当該不正プログラムのネットワークを崩壊させる(ボットネットのテイクダウン)ことを目的としており、関連サーバを押収し、当該ネットワークの管理者を起訴するとともに、より多くの感染端末を特定し、プロバイダ等を通じて感染端末の利用者に対して不正プログラムの駆除を促すことにより、感染端末を減少させることを狙う。米国の調査によると、世界中で50万から100万台の端末がGOZに感染しており、その約20%が日本に所在していると推定されている(米国の約25%を除けば、日本に最も多く所在)。プロバイダ等を通じ、GOZに感染している旨の通知があった場合には、このまま感染状態が継続すると不正送金事犯の被害に遭うおそれがあることから、プロバイダ等の指示に従って適切な対処を行う必要がある。