ナジブ・ラザク首相は2日、第28回「アジア太平洋ラウンドテーブル」の開幕演説(ザヒド・ハミディ国防相代読)で、南シナ海における安全保障政策に関して、迅速に協議を行う必要があると指摘。
埋蔵資源が豊富な同エリアでは、東南アジア諸国連合(ASEAN)への長期的な利益の妨げとなるような活動が表面化しており、懸念していると述べた。また、大小に関わらず、領有権を主張するものは問題をより複雑にするだけで、誰の利益にもならないとコメントした。
また、2002年にASEANと中国が合意した、領有権争いを抑止するための枠組みである「南シナ海行動宣言」の遵守と、法的拘束力を有する「南シナ海行動規範」の制定に向けた交渉の迅速な妥結が必要との考えを明らかにした。
南シナ海では中国とベトナム、フィリピン、ブルネイ、マレーシアが対立しており、中国はスカボロー礁の領有権を主張し、他国のアクセスを制限。セカンド・トーマス礁を実効支配するフィリピンに圧力を与え、複数の場所で暗礁を埋め立てるなど強硬姿勢を強めている。また、ベトナムの巡視船に体当たりするなどの挑発行為を繰り返している。
ナジブ首相はまた、消息不明となり3か月近くが経過したマレーシア航空(MAS)MH370便について、域内の軍事当局は多大なデータや情報を提供し合い、機密情報であるレーダーの情報も用いて捜索を行っていると述べた。
(FZ、ベルナマ通信、6月2日)