【人とくるまのテクノロジー14】岡山のEV技術を結集、4輪モーター内蔵のギャラン

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おかやま次世代自動車技術研究開発センターが製作したOVEC-ONE
  • おかやま次世代自動車技術研究開発センターが製作したOVEC-ONE
  • ボンネット内はインバーターやコントロールユニット、ヒーターやエアコンなどが収まっている
  • インホイールモーターでストラットを実現したフロントサスペンション
  • リアサスペンションは4本のリンクで支えるダブルトレーリングアーム式

岡山県内の自動車関連企業を中心に設立されたおかやま次世代自動車技術研究開発センターのブースには、参加企業の技術や製品展示のほか、研究開発プロジェクトで試作されたEVが展示されていた。

実は1月に開催された「オートモティブワールド2014」では、単なるEV化かと思ってブースを素通りしてしまっていた。今回、じっくりと実車を観察させてもらったら、この三菱『ギャランフォルティス』ベースの「OVEC-ONE」、かなり作り込まれていたEVだったのだ。まず注目は4輪インホイールモーターであるということ。

ブレーキはハブの内側にディスクブレーキを装備しているので、アップライトやサスペンションを完全に作り直している。リアは4本のアームでアップライトを支えるダブルトレーリングアーム式としており、フロントは何とストラットだ。インホイールモーターはホイール部分が重くなるので高速で走るEVの場合、支持剛性がそれなりに必要になるから、サスペンションを軽量でシンプルなストラット構造にするのはけっこう難しい。

しかしモーターを4輪に分散することで1つあたりの重量を33kgと軽量に仕上げられたことから、十分に乗り心地のいいサスペンションに仕上げられたそうだ。

車重は1650kgとベース車両とEV化を考えれば比較的軽量に仕上がっている。『i-MiEV』のバッテリーを2台分搭載していることを考えれば、かなり優秀な数値と言えそうだ。航続距離も約300kmと、十分に実用範囲にある。

このクルマでの成果を元に、現在は第二弾となるEVの開発に着手しているという。前回は三菱自動車が部品の供給や技術的な指導などを協力していたが、第二弾では共同研究という形で、より強力にサポートするようだ。

また、第二弾ではOVEC-ONEで開発された技術を小型軽量化したり、コストダウンして実用化を進める。岡山発のEV発売に期待したい。

《高根英幸》

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