5月3日、2014熱気球ホンダグランプリ第2戦、佐久バルーンフェスティバルが開幕した。朝6時30分の開会式の後、千曲川スポーツ交流広場から29機の熱気球が一斉離陸。佐久の空で熱戦を繰り広げた。
熱気球は推進力を持たず、できるのは上昇、降下のみ。高度によって異なる方向に風が吹いているのを利用して移動するのだが、風の方向や強さは刻一刻と変化するため、もちろん簡単ではない。
1日目午前中の競技はあらかじめ決められたターゲットにマーカーを落とし、その正確さを競うジャッジ・デクレアド・ゴール2種、パイロットが離陸前に決めたターゲットにマーカーを落とすパイロット・デクレアド・ゴール、高度ごとに異なる風向を利用してどれだけ鋭角に方向転換ができるかを競うエルボーの4つのタスク(課題)という構成だったが、日の出とともに気温がぐんぐん上昇し、千曲川界隈を中心に風が舞うように吹いたため、苦戦する気球が相次いだ。1つのタスクで高得点を取っても、そのために次のタスクへの飛行が苦しくなるようなことになると、総合得点を伸ばすことはできない。
その難しい風のなか、暫定首位に立ったのは「TOTO」のカラーリングの気球でおなじみのベテラン、水上孝雄選手。1位を取ったタスクは1つもなかったが、パイロット・デクレアド・ゴールで2位を取り、それ以外も大きな失敗がないというバランスの良さで戦いを制した。2位の増本嘉浩選手、3位の笹川和朗選手はそれぞれ1つのタスクでトップを取り、2つのタスクで高得点をマークしたが、エルボーで失敗したのが響いた。4位にはバルーン女子、倉橋朋子選手がつけた。もっとも、熱気球競技はちょっとした勝負のあやで順位が大幅に入れ替わるもの。初日不振だったトップクラスの選手たちの2日目以降の巻き返しにも要注目である。
このように選手権を戦うパイロットや、地上から風を見て戦略を立てるチームクルーたちは熾烈な戦いを演じているのだが、観戦する側にとっては、色とりどりの熱気球がゆるりと空を漂うのを眺めるという、いわば癒しのひととき。フェスティバル会場では家族連れの観客が凧揚げや木工などに興じたり、二輪のトライアルライダーによる“曲乗り”やステージイベントを見たりと、初夏の休日を楽しんでいた。
この佐久バルーンフェスティバルは5日まで行われる。4日夜には熱気球のバーニングと花火のページェント、バルーンイリュージョンが行われ、また5日には佐久特産の鯉にフォーカスした鯉祭りが併催される。ゴールデンウィーク後半の予定を決めそびれてしまったという方は、試しに足を運ばれてみては!?