【スズキの四輪技術】セレリオのオートギヤシフトはインドで大人気

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AGS搭載セレリオ
  • AGS搭載セレリオ
  • AGSトランスミッションのカットモデル。アクチュエーターと制御ユニットはコンパクト
  • セレリオの諸元
  • 運転席はシンプルだが、シフトレバーに変速ポジションがある
  • 代表取締役 副社長 本田治氏
  • エネチャージは52万台販売
  • ブルーの部分がアクチュエーターとコントローラー
  • 常務役員笠井公人氏

4月16日、スズキ自動車は2014年度以降の世界戦略に関連して、エンジン、トランスミッション、ボディに関する新しい技術の説明会を開催した。

副社長本田治氏は、エネチャージ搭載車の累計販売が52万台(スズキ軽乗用車)に達したとして、同社の環境性能への取り組みをアピールする。その中で、技術面での取り組みとしてプラットフォーム統合と軽量化、パワートレインの改良、エネルギー回生やマイルドハイブリッドをベースとしたエネルギーマネジメントの3つ挙げた。

パワートレインの改良では、エンジンの平均熱効率を40%まで段階的に上げていくプランやAMT(Automated Manual Transmission)技術を紹介した。AMTは従来型のマニュアルトランスミッション(MT)のクラッチ操作、シフト操作をアクチュエーターなどで自動制御する技術だ。スズキで開発したAMTシステムは「オートギアシフト」と呼ばれており、インドで発売される『セレリオ』に搭載される。

技術の詳細については、常務役員笠井公人氏が次のように説明する。まず、「電動油圧アクチュエーターユニットを小型化し、制御部も一体化することで軽量化及びコストダウンを実現した」とする。トランスミッションはMTそのものなので伝達ロスの少なさが低燃費にもつながると、環境対策としてのAGSの効果を示した。

ATと同等なイージードライブを実現するため、単にクラッチやシフトを制御するだけでなく、アクセス開度も制御し、変速ショックを低減しているという。また、車庫入れ、渋滞運転を楽にするため、ATのようなクリープ現象を作りだしている。

AGSについて本田副社長は、発表以来インドで非常に好評を得ているといい、セレリオの受注台数約3万5000台(2014年3月末現在)のうちおよそ47%がAGS仕様車だという。その背景には、インドで深刻な交通渋滞と、近年女性ドライバーが増えていることなどから、イージードライブが重要な要素となっているとした。

《中尾真二》

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