【三菱 ランエボ 生産終了】ACD新採用、電子制御技術で完全武装…7代目[写真蔵]

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三菱 ランサー エボリューション7
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  • ボディ軽量化と剛性強化ポイント
  • ACD+ARC制御システム
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3月末、三菱のスポーツカー『ランサーエボリューション』の生産終了が報道された。1992年の初代登場から20年あまり。WRC制覇など輝かしい足跡を残したランエボの歩みを写真で紹介する。

年初恒例の行事となったランサーエボリューションの発表。7代目(VII)も例に漏れず2001年の1月下旬に登場した。ベース車は前年に発表された『ランサーセディア』となり、ボディサイズは全長4455 × 全幅1770 × 全高1450mmとなり、VI比で全長105mm・全高で35mm拡大。全幅に変更はないがトレッドはVIよりも前5mm・後10mm拡大された1515mm(前後)となっている。

重量はGSRで1400kg、RSでも1320kgと40~60kg増加したが、この車重に対応してボディ剛性は大幅に強化された。一新されたボディに加えて、フレーム結合部の強化や20箇所に及ぶリンフォースメントの追加、スポット溶接増しなどによりVI比で曲げ剛性は1.5倍に向上している。

メカニズム面での最大のトピックはアクティブ・センター・デフ(ACD:Active Center Differential)の採用だろう。差動制限機構を従来のVCU(ビスカスカップリングユニット)式から油圧多板クラッチ式とし、差動制限力をドライバーの操作や走行条件に合わせて適正化するものだ。

たとえば、急加速時には直結4WD状態に近づけることで、駆動力を前後輪に伝達しトラクションを確保、一方でコーナリング時には差動制限力をフリーに近づけることでプッシングアンダーステア低減を図り旋回性能を高めた。このACDは、従来のVCU比で3倍以上のロッキング性能を持ち、ターマック(舗装路)/グラベル(未舗装路)/スノー(積雪路)の3モード切り替えが可能となっている。リアデフの左右駆動力をコントロールできるアクティブ・ヨー・コントロール(AYC)との統合制御により、旋回性能と駆動力性能を高次元でバランス。現在のS-AWC(All Wheel Cotrol)につながる技術となっている。

サスペンションは前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンクの形式は不変ながらロードホールディング性能の向上に配慮がなされ、前15mm・後10mmそれぞれバンプストロークが増大。フロントサスクロスメンバーのフラット化やロアアームの補強バー追加などでロール剛性の向上を図った。

エンジンは引きつづき4G63型を搭載しているが、インタークーラーやオイルクーラーの大型化や自動噴射制御が可能な3ノズルインタークーラースプレーなど、パフォーマンスアップが図られ、トルクは従来比1kgmアップの39kgmとなった。

トランスミッションは当初5MTのみ。1速のローギアード化(GSRのみ)と5速のハイギアード化(GSR/RS)で発進性能と巡航時の燃費性能に配慮している(この後登場したAT採用の「GT-A」については別稿にて紹介する)。

なお、本モデルはWRCのホモロゲーションを取得できず(ベースのランサーセディアでWRカー規定をクリア)、VII以降はWRCマシンのベースではなくなっている。

《レスポンス編集部》

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