日本海事協会は、世界的な船舶の設計・運航支援ソフトウェア会社であるフィンランドのNAPAを買収したと発表した。
NAPAは、1989年に創業したソフトウェア会社で、日本を含む世界7カ国に拠点を展開し、海事分野に特化したソフトウェアを提供している。同社のソフトウェアは、船舶の設計や運航効率改善の支援などに寄与し、多くの造船所や船舶設計会社などが導入している。
特に船舶設計システム「NAPA for Design」は、造船所、船舶設計会社、船級協会、研究所などで導入されているデファクトスタンダード(業界標準)となっており、世界で新造船を建造する造船所の9割以上が同システムを導入している。
日本国内でも主要造船所をはじめ、各種研究機関や大学などが同システムを採用している。
日本海事協会とNAPAはこれまで、最適運航支援システム「ClassNK-NAPA GREEN」の共同開発などで協力関係にあった。今回の買収に伴い、今後ニーズ拡大が見込まれる船舶設計システムや、運航効率の改善に関するソフトウェアの分野で、業界全体に貢献していく。
NAPAが業界標準となるシステムを提供していることから、日本海事協会は、買収後もNAPAの経営の独立を保証、海事業界全体に有益となる同社の研究開発を継続的に発展させるとしている。