住友ゴム・ダンロップは3月6日、2月に発売された低燃費タイヤの新製品『エナセーブ EC203』の試走会を伊豆・修善寺で開催した。
EC203のコンセプトは、「長持ちする低燃費タイヤ」。この商品企画の狙いについて住友ゴムのタイヤ技術本部第一技術部 竹本義明氏は、「もはや低燃費は当たり前。お客様は低燃費タイヤにさらなる性能を求めている」と述べる。では、消費者にはどのような性能がもとめられているのか。
「自動車販売の傾向として、エコカーと軽自動車の年々高まっていることがまずひとつ。また、“低燃費タイヤにプラスされたら魅力的な性能”について当社で調査したところ、全体の平均で44.9%もの人が“ゴムが減りにくい、長持ちする”タイヤを求めていることが分かった。そこで当社としては、“ネイチャーセーブ”(化石資源使用量の低減)と“エナジーセーブ”(ころがり抵抗低減)に加えてタイヤの寿命を延ばして省資源を推進する“ロングライフ”を新たに加えることとした」とその背景について説明する。
技術的には、転がり抵抗とタイヤの寿命におおきな影響を及ぼす、不要な発熱をいかに抑えるかがキモとなっており、トレッド部の発熱を抑制する「新マルチ変性 SBR」とサイドウォール部の発熱を抑制する「末端変性ポリマー」を採用。またロングライフ化には新マルチ変性 SBRに加えて、パターン剛性の最適化によりで摩耗の均一性を向上させるとともに、とシリカの分散性を高めたゴムの使用が貢献しているという。
この結果、従来品の『EC202』と比べて転がり抵抗を12%低減、また耐摩耗性についてはスタンダードパターンの5リブでは9%、軽・コンパクトカー専用パターンの4リブでは17%の向上を果たした。グレーディングは転がり抵抗性能がAA、ウェットグリップ性能cを獲得している。
また、タイヤを整形する金型を改良し、「スピュー」と呼ばれるゴムのヒゲをカットしたデザインを採用。外観的にもよりスタイリッシュに仕上げたという。