首都高速など高速道路各社、昨年の教訓生かした大雪対策

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首都高速道路(菅原秀夫社長)は7日23時に、大雪のための対策本部を設置し、1600人体制で対応に当たる。

8日の降り始めから終わりまで20cmの積雪が予想される東京都心では、昨年1月の積雪の影響で起きた通行止めの悪夢がよぎる。最長3日にわたって通行止めが続いた。

「今年は、道路が分岐する主なジャンクションで、あらかじめ小型のレッカー車を待機させるなどの対策も取ります」(同社広報室)

首都高速には都市高速ならではの除雪の難しさがある。高架上の除雪作業では、一般道のように雪を路肩に寄せて通行止めを解除することができない。取り除いた雪は高速道路の外に運び出し、路面を完全に雪のない状態にしなければならない。そのため除雪に時間がかかる。

昨年の場合、雨から変わった雪が急速に積もったために、チェーンやスタッドレスタイヤなど対策のない車両が、そのまま走行不能になって立ち往生。除雪車や融雪剤を積んだ作業車の現場への到着を妨げた。これが手間のかかる除雪を、さらに困難なものにした。

「首都高速の走行は、ぜひ雪対策をして乗り入れてほしい」と、同室が強調する理由もそこにある。

また、東日本高速も大雪に備えた融雪剤や除雪車などの準備を整えているが、さらに「ノーマルタイヤでの運転はせず、不要不急の外出の自粛を」と、利用者に呼びかける。

「高速道路では、降雪が事故を誘発して、その結果、通行止めになるケースもある」(同社広報室)ためだ。

積雪は高速道路の通行に大きな影響を与えるが、単純に降雪が多ければ通行止めになるというわけでもない。交通量が多い時間帯であれば、車両の通行が雪を溶かすことが見込める。しかし、いったん通行止めになると、一般道より高い位置に作られることが多い高速道路は、積雪や凍結が激しくなる。

対策は万全でも、高速道路への影響は、降ってみないとわからないという理由はそこにある。

《中島みなみ》

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