米国の自動車最大手、GMの高級車ブランド、キャデラックは1月27日、同ブランド初のプラグインハイブリッド車(PHV)、『ELR』の初期顧客に、家庭用の急速充電システムを無償提供すると発表した。
ELRは2013年1月、デトロイトモーターショー13で初公開。キャデラックの新たな2+2のラグジュアリークーペだ。キャデラック初の市販PHVになる点が、ELRの最大の特徴。GMはモーター走行を基本に、発電用のエンジンを備えたPHVシステムを2010年末、シボレー『ボルト』で実用化。この「エクステンディット・レンジ・エレクトリックビークル」(航続距離延長EV)技術が、キャデラックELRにも応用されている。
キャデラックELRは、最大出力220ps、最大トルク40.8kgmを発生するモーターを搭載。このモーターのおかげで、最大60kmゼロエミッション走行ができる。EVモード時には、0-96km/h加速8.8秒の性能。
二次電池は、蓄電容量16.5kWhのリチウムイオンバッテリー。バッテリー残量が少なくなると、発電用の1.4リットル直列4気筒ガソリンエンジン(最大出力84ps)が始動。ジェネレーターを回してモーターに電力を送ると同時に、バッテリーを充電する。これにより、ELRの最大航続可能距離は、555kmまで伸びる。なお、この時の最高速は170km/h。
今回、キャデラックは、ELRの米国発売に合わせて、家庭用の急速充電システムの無償提供を発表。初期にELRを購入した顧客に限り、240Vの家庭用充電ステーションとその設置を無償で行う。
キャデラックのUwe Ellinghausチーフマーケティングオフィサーは、「急速家庭用充電システムと、その設置の無償提供は、ELRを高級車市場に導入するに当たって、自然なやり方」と述べている。