ボッシュグループ、為替の影響を受けながら増収を達成…2013年12月期決算

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ボッシュ(イメージ)
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ボッシュ・グループは、2013年通期の売上高が前年比2.7%増の464億ユーロと増収になったとの暫定決算を発表した。

為替のマイナス影響は約15億ユーロで、ユーロ高が売上高にとって大きな負担となった。

事業セクター別の売上高で為替の影響を大きく受けたのは、自動車機器テクノロジーと消費財の両事業セクター。ただ、自動車機器テクノロジーセクターは2013年に大幅プラスとなった。特にガソリン直噴システムとディーゼル燃料噴射システムの事業が好調だった。カー・マルチメディア事業部ではディスプレイ機器とインフォテインメントシステムの売れ行きが好調で、産業機器テクノロジー分野では、パッケージング・システム事業が記録的な成長を達成した。

一方で、機械工学関連部門は世界的に弱い推移となり、ドライブ&コントロール・テクノロジー事業部の業績が落ち込んだ。セキュリティ・システム事業部では通信サービスが急成長し、サーモ・テクノロジー事業部ではエネルギー効率の高いコンデンサーが好調に推移した。

地域別の売上高では、アジア太平洋地域の売上高は前年の水準を約5%上回った。為替の影響を調整した場合、売上高の伸びは2ケタ増となる。北米では、暫定決算に基づく名目成長は3%を超えた。南米は名目ベースで約3%減と、マイナス成長となった。ただ為替の影響を調整した場合、売上高の成長は1ケタ台後半の伸びを達成した。経済が低迷している中でも、欧州の名目売上高は2%の微増となった。

収益は抜本的に改善しているものの、期の途中で撤退を発表したソーラー・エネルギー事業部が影響した。

ソーラー・エネルギー事業関連の多額の負債を考慮しない場合、暫定決算上では、ボッシュ・グループのEBIT(支払い金利前税前利益)は6%となる。

約13億ユーロに達するソーラー・エネルギー事業関連の負債を考慮した場合、EBITは3%となる。

ロバート・ボッシュGmbHのフォルクマル・デナー取締役会会長は「利益率を改善するために実施してきた多くの措置が明らかな効果をもたらしており、実際、予想した以上に業績は上向きに推移している」とコメントしている。

2014年の景況は穏やかに推移すると予測する。現段階では世界のGDPは2.8%成長すると見ており、ボッシュでは、引き続きユーロ圏の経済危機の影響や、ユーロ高騰のリスクがあると見ている。こうした背景があるものの、ボッシュ・グループは収益状況の改善を続けつつ、2014年の売上高が成長していくと予想している。

《レスポンス編集部》

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