トヨタ オーストラリア、労働協約変更を裁判所が認めず

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新型トヨタ カムリ(オーストラリア仕様)
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GMホールデンの現地生産撤退決定を受けて、混迷度を増しているオーストラリアの自動車産業。現地生産しているトヨタが、労働組合に提示した労働協約の変更案を巡って、裁判所が「認められない」との判断を下した。

この裁判は、トヨタのオーストラリア工場で働く4名の従業員が起こしていたもの。トヨタは労働組合に、生産コストを削減し、現地生産の効率を引き上げる目的で、労働協約の変更案を提示。これに対して4名の従業員は、「労働協約の変更は、2015年3月まで有効な契約期間中はできない」として、裁判所に訴えていた。

12月12日、現地の裁判所は、従業員の訴えを認める判断を下した。また判決では、「トヨタが12月13日に従業員に実施を呼びかけている労働協約変更を認めるかどうかの投票は、行ってはならない」としている。

判決を受けて12月12日、トヨタオーストラリアの安田正秀社長は声明を発表。「判決の内容は遺憾。従業員の過半数が正式な投票で賛成するなら、労働協約を変更する権利がある」とコメント。

さらに同社長は、「GMホールデンが2017年に工場を閉鎖することが、トヨタの製造部門と現地のサプライヤーに、これまでにないプレッシャーを与えるだろう。だからこそ、スピーディな変革が大切」と語った。

なお、トヨタオーストラリアは今後、判決に対して上訴することも検討しているという。

《森脇稔》

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