地球で最も気温が低い場所は南極大陸、ドームふじとドームアーガスの間

宇宙 科学

地球で最も低い気温は、南極大陸 東南極高原のドームアーガスからドームふじの間で、摂氏マイナス93.2度に達する。アメリカ国立雪氷データセンターの研究者がアメリカ地球物理学連合総会で発表した。

アメリカ国立雪氷データセンターのTed Scambos博士を中心とする研究チームは、32年間にわたり複数の人工衛星にで観測されたデータを総合した。今年2月に打ち上げられた地球観測衛星LANDSATの最新機、LANDSAT8号や、NASAの「Aqua」衛星搭載のMODISセンサーも利用して地球上でもっとも気温が低い場所を特定した。「東南極高原」と呼ばれる氷床に存在する頂点のうち、ドームアーガス(ドームA)とドームふじ(ドームF)の間の尾根に十数カ所ほど点在するくぼんだ場所で急激な気温の低下が起きることがわかった。2010年8月10日、最も低い気温 摂氏マイナス93.2度を記録したという。2013年7月31日にも、マイナス93度を記録している。

これまで最も低い気温とされたのは、南極東側にあるロシアのヴォストーク基地で1983年に記録された摂氏マイナス89.2度。Scambos博士は、ヴォストーク基地よりさらに標高の高い場所では気温がより低いのではないかと考えていたという。今回、LANDSAT8が打ち上げられたことで、詳細なデータが得られるようになったとしている。

研究者が注目したのは、東南極高原に風で形成される雪の丘。丘の間の雪の表面には冬季に雪の層が縮んで裂け目ができ、そこで気温が下がるという。まずはNASAの「Terra」「Aqua」衛星に搭載されたMODISセンサー、アメリカ海洋大気局の「NOAA」衛星に搭載されたAVHRRセンサーによる、地球の表面から放射される熱のデータを集めた。研究者は、最も低い気温はドームアーガスとドームふじの間、約990キロメートルにわたって伸びる尾根で観測されると考え、LANDSAT8号に搭載された熱赤外線センサーTIRSによって、場所の特定を行った。

研究チームが考える、気温低下のしくみは、晴れた日に起きる。晴天が数日続くと、地表から熱が逃げ続け、雪と氷の地表の上にきわめて温度の低い空気の層ができる。この温度の低い空気の層は、さらに上空の比較的暖かい空気よりも密度が高く、斜面に沿って低い場所に下っていき、さらに氷床の裂け目にたまって急激に気温の低下を引き起こすという。

Scambos博士は「私たちは、極端な気温低下のおきる不思議な場所を探しているのだと思ってきましたが、むしろ南極の標高の高い帯状の地域で、定期的にこうした記録的な気温の低下が起きているのだということがわかりました」とコメントしている。
《秋山 文野》

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