先端材料技術展では、クルマ関係のパーツや技術は色々展示されるだろうとは思っていたが、まさかクルマ1台、それも見たこともないコンセプトカーが登場するとは想像していなかった。
それだけに、企画展示のコーナーに見たこともないクルマが置かれていることに驚いた。このクルマ『moma-01』は、チャレンヂが自社の技術力の証明とカーボンファイバーの可能性を示すために製作したコンセプトカーで、ボディやシャーシ、内装部品の大半をカーボン・コンポジットで製作。全長4450×全幅1890mmの堂々としたボディのミッドシップながら、車重は1030kgとかなり軽量に仕上がっている。
軽いだけでなく、カーボンならではの特性を活かし、高剛性でありながら振動や衝撃の吸収性にも優れるボディを実現。しかもカーボンファイバーの成型品とすることで、形状を工夫して部品点数を減らすなど生産コストの削減にも貢献する試みも盛り込まれている。
同社の名前に聞き覚えのない方も多いだろうが、実はチャレンヂはFRP製品の老舗メーカーで、レーシングカーのボディなども数多く手がけ、カーボンファイバーの時代となってからはいち早く設備を導入して、ワークスチームのツーリングカーなども製作を請け負ってきた、カーボンのスペシャリスト。
このクルマでもメインモノコックはアルミハニカムをサンドイッチしたカーボンハニカムを用いたり、前後のサスペンションはプッシュロッド式のインボードサスペンションで、ダンパーはコニ・レーシングと、レーシングスペックと言える内容だ。
近年は航空機用のカーボン製品なども生産しているが、やはりクルマ分野にこそ、同社の技術を活用してほしいもの。そんなモータースポーツファンの夢と希望が詰まった1台が、このmoma-01なのである。