ホンダが11月1日に発売する新型『オデッセイ』は、全高が1695mmと歴代の中で最も高い。立体駐車場に入れるように車高を抑えていた先々代、先代からは大きく転換することになる。
開発責任者を務める本田技術研究所の中川真人主任研究員は「やはり室内の狭さというのが、ここにきてかなりのハンディキャップになっていて、もう上げざるを得ない状況」と明かす。
また「10年前は立体駐車場に入るサイズというものに結構こだわりがあった。なぜかというと大都市圏のお客様には1500mm台という基準がミートしていたから。しかし大都市圏に住む人で車に乗らない方が多くなってきており、あまりその条件は当てはまらなくってきた。むしろ室内の広さの方が優先されている」とも。
その一方で「箱型にすれば非常に簡単に空間がとれて、色々できるが、それではオデッセイの乗用車としての価値が全くなくなってしまう。やはり、ずっと伝統になっているセダンライクな形でないと、ホンダのお客様は見向きしてくれない」と指摘。
このため「もともと私どもは低床化をだいぶやってきているが、今回は超低床化ということで、さらに低床化をやった。もうとにかく苦労したが、タンクを薄くしたり、フレーム構造や排気系のレイアウトを変更するなど、そうした技術進歩もあって今回実現できた」と述べた。