今年のショーケースでは、総務省が車車間通信(V2V)向けに割り当てた700MHz帯を利用した機器やソリューションを見ることができた。パナソニックのブースでは、これを車どうしだけでなく、歩行者にも広げた技術を展示していた。
700MHz帯を利用した車車間通信、歩(行者)車間通信(V2P)、あるいはその他のインフラや設備、建物などとも通信するV2X(Vehicle to X)は、他社のブースでも見られたが、パナソニックでは、歩行者用の専用端末とともに展示していたのが特徴だ。通常であれば、歩車間通信の歩行者側の端末は、スマートフォンや携帯電話を利用すればよいと考えがちだ。もちろん、普及台数など考えると合理的なのだが、スマートフォンなどを持たない子どもや高齢者など、この技術が目指すべき交通弱者の保護・支援と考えると、専用端末の意義がでてくる。
V2Pは、歩行者と車がダイレクトに通信するので、路車間通信のように交差点など道路側に専用の機器や設備を設置する必要がない。見通しのきかない細い路地や小さい交差点でも、端末を持った歩行者がいれば検知できる。また、そういった状況では、700MHzのような壁や建物の影響を受けにくい帯域の通信が有効である。
製品化はまだ未定とのことだが、学校周辺や住宅地では効果を発揮しそうな技術だ。