ZMPとバージニア工科大学工学部機械工学科古川知成教授は、環境マッピングと位置推定を同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を用いたクルマの自律走行技術を共同研究・開発し、成果の一部をITS世界会議東京2013で発表する。
自動運転においては、GPSを利用し自車の位置を把握することが一般的だが、都市部などではGPSでの正確な位置計測が困難なため、周囲の環境をセンシングし、自車の位置を推定するSLAM技術が用いられる。
しかし、一般的に、SLAMは計算時間を要するため、高速走行への適用が難しいとされているほか、高性能な3次元センサを使用する必要があり、非常に高価なシステムとなるという課題があった。
今回、古川教授らが開発した、Grid-based Scan-to-Map Matching SLAMは、マップ生成のための計算をグリッドマップ上で行うことで計算量を抑え、精度を落とすことなく高速なマッピング・位置推定を実現。また、グリッド計算の並列化によるさらなる高速化が目指せることから、自律走行への応用も期待できる。
今回の共同研究・開発においては、ZMPの「RoboCar」に、古川教授らが開発したSLAM技術を適用することで、自律走行開発のプラットフォーム機能を強化、より低コストな自律走行の実現を目指していく。