日本車が9割以上を占めるインドネシア国内で着実に支持を拡大しているのが韓国メーカーだ。ジャカルタモーターショー13でもヒュンダイとキアの2社が出展。なかでもKIAは広大な面積でファミリー層を意識した展示を展開。大勢の人で賑わった。
ジャカルタ市内を走るクルマの大半は日本車。まれにそれ以外の国の車両を見かけることもあるが、その差は歴然としている。そんな中、韓国のキアがジワリと台数を増やしている。これまで韓国メーカーがシェアを伸ばせない理由として、販売店の数が圧倒的に少なく、故障した際の対応が不便というのが理由の一つだった。ただ、ジャカルタなど都市部では日本メーカーがガッチリと市場を押さえてしまっているために入り込む隙がない。
そこでキアは都市郊外に店舗を増やす戦略に打って出た。それが功を奏したのか、2012年のシェアは11年の1.0%から1.2%に拡大し、韓国車としては初めて9位にランクインすることに成功した。同時期、シェアNo.1のトヨタは34.7%から36.3%に、5位のホンダでも5.1%から6.2%にまで拡大しているのに比べるとその差はあまりに大きいが、それでもインドネシア国内で工場を持たないキアがトップ10にランクインできたのは意義深い。
その余波を受けてか、ジャカルタモーターショー13でキアはかつてない規模で展開した。会場面積は驚くほど広大で、その広さは間違いなく1位2位を争う。展示内容はファミリー層に特化したものが多く、訪れた家族連れを魅了していた。しかも、会場のあちこちでファミリー向けのイベントが開催され、“KIA TOWN”と名付けられた入口をくぐると、そこにはカフェや遊具施設が置かれると行った具合。なかでも車両内にステッカーを貼り、その数を当てるクイズも行われ、クルマをじっくり見させる新手の手法には感心してしまった。
一方で同じ韓国メーカーであるヒュンダイは訪れ人もあまり多くなく、精彩を欠いた印象を受けた。キアとヒュンダイは同じグループ内の会社でもあるが、インドネシア国内では戦略の違いで明暗がはっきり分かれた格好だ。