【ジャカルタモーターショー13】混沌極めるジャカルタの道路…ゼブラ柄の集団が交通安全啓蒙

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インドネシア ジャカルタ市内で交通ルールの啓蒙活動を行うグループ
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  • インドネシア ジャカルタ市内の道路
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夕刻の交通量が増え始めたジャカルタ市内交差点で、交通ルールを啓蒙する集団に遭遇した。

信号が青になると横断歩道を渡りながらパフォーマンスし、赤になると歩道と中央分離帯に並んで「横断歩道を渡ろう、交通ルールを守ろう」と声を揃える。男女20名ほどのそのグループは、皆一様に横断歩道をイメージしたゼブラ柄の服を身に着け、懸命に呼び掛けていた。

拡大を続けるインドネシアの自動車市場。昨年の国内新車販売台数は111万6230台を記録し、2013年も4年連続の販売台数更新が見込まれる。

しかし、その一方で問題視されているのが交通環境の悪さだ。道路整備の遅れ、交通ルールの理解・モラル不足から、渋滞や事故が多発している。インドネシア中央統計局Badan Pusat Statistik(BPS)の発表によると、2011年の交通事故発生数は10万8696件、うち死亡者は3万1195人に上った。これは報告されている件数のみで、WHOは「実際には4万件を超える」と推定している。新車販売台数536万9721台の日本における昨年の交通事故死亡者数は4411人(警視庁発表)。人口が2倍であることを鑑みても、その比率には大きな差がある。

また、大半のドライバーが自動車保険未加入だという。死亡事故や重大な傷害に至らない場合は、基本的に警察への報告はされず、当事者同士の示談により解決するのが通例。現地紙ジャカルタ・ポストは、「インドネシア損害保険会社協会の発表によると、国内の市場規模は前年比13.3%増の11兆5900億ルピア(約1122億円)に達した」と報じているが、市民への一層の認知は今後の課題となろう。

ジャカルタ市内では自動車に加え、二輪車、バジャイと呼ばれる三輪バイク、歩行者が大量に行き交う。無理に右左折しようとする車、逆走するバイク、所構わず横断しようとする歩行者など、いつ事故が発生してもおかしくない状況だ。進まない渋滞に痺れを切らし、路肩やバス専用レーンを通行する車も目立つ。

現地紙Jakarta Globeによれば、インドネシアのアブドゥル・ハキム議員は「問題が対処されなければ、2020年には交通事故死亡者数が6万5000人に達する」と発言したという。現地で必要とされているのは優遇税制や新型車だけではない。

《吉田 瑶子》

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