RTI レーダー・テクノロジーズ・インターナショナルは、ケニア北部の干ばつ地帯で人工衛星とレーダー技術を利用した探査により、地下水資源を発見したと発表した。
今回見つかった地下水資源は、ケニア北西部のトゥルカナ地方で地下の深部と表層部に位置するもの。少なくとも2500億立方メートルに達するという。中でも大きなロティキピ流域帯水層では、2070億立方メートルの貯水量が見込まれている。200万人の人口を有するケニア北西部のトゥルカナ地方では、水不足対策として地下帯水層の探査を続けてきた。この地下水資源により、ケニアで利用可能な水は17パーセント拡大し、一人あたりの水消費量は現在の2倍になるという。見つかった水資源の中には、トゥルカナ地方で石油資源が得られる拠点、ロドワルの街に近いロドワル流域帯水層と呼ばれるもの、また地表から数メートルの深さに存在し、農業用水として利用しやすいものも含まれている。RTI社は今後、みつかった水資源の持続可能性について詳しく調査するとしている。
今回、水資源探査にRTI社が利用したのは、同社のWATEXシステムと呼ばれる、人工衛星からのリモートセンシングデータを利用したシステム。地球観測衛星ランドサット7のETM+センサーによる画像や合成開口レーダー画像、SRTM(スペースシャトル地形データ)など既存の衛星データを組み合わせている。地表を6.25平方メートル単位でマッピングし、94パーセントの確率で地下水の存在を検知できるという。広域を高速に探査することが可能で、エチオピア、アンゴラ、チャド、ダルフール地方、アフガニスタンなどで国際援助機関や各国政府による水資源探査に採用されてきた。
ケニアでの水資源探査は、ユネスコ 国連教育科学文化機関によりRTI社の技術を採用しておこなったもの。探査には日本政府が資金を援助しており、UNHCR 国連難民高等弁務官事務所、JICA国際協力機構なども協力している。