対米ドル市場の通貨リンギが3日午前11時、1ドル=3.2645リンギとなり0.29%値上がりした。1ドル=3.2590リンギとなった8月13日以降の高値となった。
連邦政府が燃料補助の合理化の一環としたガソリン「RON95」およびディーゼル値上げを発表し、財政赤字削減に向けた動きが明確となったことを受けリンギの上昇に繋がった。
値上げ後の店頭価格は「RON95」が1リットル2.10リンギ、ディーゼルは1リットル2.00リンギとなった。
域内通貨は、タイ・バーツが0.23%上昇、フィリピン・ペソが0.27%上昇した。
バークレイズ・エマージング・マーケッツ・リサーチは、燃料補助の合理化により、財政バランスの悪化に対する懸念が多少和らいだと指摘。マレーシア政府の歳出は管理可能な範囲で推移すると予想されるとしたうえで、対国内総生産(GDP)の公的債務の削減は今後も課題であると指摘した。また、財政赤字をGDP比4%とする目標は達成可能だとの見解を示した。
政府による財政赤字削減に向けた取り組みはリンギ建て債券にとっては朗報で、構造改革に次いで、2014年度予算案で物品・サービス税(GST)の導入が見込まれていることも、投資家の信頼回復にとってプラス要素だという。